『相棒17』第3話「辞書の神様」 の感想です。
今回はタイトル通り、辞書にまつわる話で起こる殺人事件です。
実に相棒らしい回だったんじゃないでしょうか。
監督は権野元さん、脚本は神森万里江さんでした。
久しぶりに右京さんの趣味の博学を見せてもらった回
右京さんと言えば、いろんな知識と趣味とこだわりをお持ちの方。
それが右京さんの知性であり、ダンディズムでもあると思ってます。
今回は本が好きな右京さんにピッタリな回。
本と言っても小説ではなく、辞書です。
辞書を作っている側の人間模様でした。
鍵となる辞書は『千言万辞』。
現実では『広辞苑』または『大辞林』をイメージします。
おそらくそうなのではないのかな、と思っていたら、やはりそうみたいです。
『三省堂国語辞典』の編集委員をされてらっしゃる飯間浩明さんがツイートしてました。
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辞書好きの身としては、ドラマ「相棒」の「辞書の神様」の細部を観察して、トリビアを発見したいところです。でも、1回見ただけでは、「これは」というものは見つけられませんでした。ドラマ中の辞書『千言万辞』のゲラ(三校)が映っていましたが、これが『広辞苑』第7版らしいのは気づきました。
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2018年10月31日
飯間さんも今回の相棒はわくわくしてご視聴されたみたいですね。
本物の方にも支持をされた相棒はさすがです。
辞書に載せている言葉の説明にロマンを感じているところも、右京さんらしい。
そしてその言葉の説明をきっちり覚えているところもさすが!
私なんてうろ覚えだもんなぁ。
辞書ではありませんけど、たとえばドラマでのセリフもニュアンスで覚えているので正確ではなかったりします。
右京さんの頭脳が欲しい!
右京さんが珍しく上司風を吹かせてた!
右京さんが本当に珍しく「僕はキミの上司ですよ!さっさと言いなさいよ!」と、拗らせ青木くんに言ってました。
右京さんは曲がったことが嫌いなので、たまに声を荒げることはあっても、上司風を吹かせることなんてないです。
そもそも、上下関係ってどうでもいい人ですからね。
口を割らせるためにわざとこういう言い方をしたのはわかりますけど、意外と面白かったです。
青木くんも面食らっちゃってましたもんね(笑)。
こういう右京さんが見れるのも『17』の特命係に、青木くんがいるからですね。
相変わらずの拗らせぶりで、今後特命係に馴染んでいくのかどうかも怪しい限りです。
馴染まなくてもいいですけど、馴染んでくれた方が感情移入しやすい(笑)。
馴染まない場合は強力なライバルに成長できそうでもあるので、しばらくはギスギスした関係でしょうね。
そうは言っても、拗らせてない青木くんは想像できませんけど。
いずれ青木くんメインの回もあるでしょうから楽しみにしています。
精神を病んでいる役なのかと思った森本レオさんの大鷹氏
途中で痴呆症だとと気付かされましたけど、それまでは精神が病んでしまわれた方なのかなと思ってました。
突然暴れたり、おとなしくなったり、支離滅裂なことを言っていたりしたので、そういう設定にしたのかとちょっと驚いてましたが、その分犯人ではないなと早々に気づいてました。
相棒なので油断はできませんけど、その場合はもう少しひねりをいれてくると思います。
最後のシーンは相棒らしくて優しさが溢れてました。
完成した『千言万辞』を開いて涙が溢れそうになる大鷹氏。
アルツハイマーがどこまで進行しているのかはわからなかったですが、新しい辞書が誕生したことは理解できたんだと思います。
その苦労には国島教授の力があってこそ。
2人が感無量なところがグッときました。
一番犯人ぽくない人が犯人という典型の回
今回は非常にわかりやすかったですね。
森本レオさんの大鷹氏ではあんまりですし、国島教授でもないだろうとなると、残るは辞書編者の和田氏のみ。
本当の意味で『言葉に取り憑かれた男』でした。
憑りつかれすぎて隙ができてしまったのかな。
カッとしてしまうことはあるでしょうけど、結局そこから用意周到に殺人を犯すわけです。
全く同情できません。
勝手にライバルにしている大鷹氏に罪をなすりつけようとするなんて、ひどすぎる上に
痴呆症であることを利用しているのも許せない。
右京さんの最後の言葉がらしかった。
「言葉を大事にしているあなたが、偽りの言葉を使って人を陥れるとは非常に残念です」
辞書が好きで敬意を表している右京さんの本音でした。
幸子さんの右京さんのイメージが笑えた
いつもの花の里でのラストシーン。
発行された『千言万辞』をめくって、冠城さんが右京さんをイメージする言葉をみつけて、その意味だけを言います。
その言葉を幸子さんが当てようとしますけど、それがひどすぎて笑えます。
偏屈、意固地、ひねくれもの
答えは「ひねくれもの」!
右京さんの静かな怒り顔もよかった。
これだけはっきり言い合える相棒もいいですな。
ところで、今回大鷹氏のお手伝いのサチコさん役の方を、最初は手塚理美さんだと思ってしまいました。
なので手塚さんが犯人なのかなと思ってたら、全然違う人だったと気づいて恥ずかしかった(笑)。
でも似てましたね。
次週は、なんと暇課長もとい組対五課の角田課長との確執なんですか?
温厚な角田課長が右京さんにめちゃくちゃ怒ってましたけど、どういう話なんでしょうか。
早く観たい!
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