『相棒19』第3話「目利き」の感想です。
初回と2回はシーズン最初ということで力が入った作品になりますけど、だいたい3回目、4回目は箸休めな感じ作品になります。
でもすごくよかったです。
監督は権野元さん、脚本は神森万里江さんでした。
▽目次です▽
名作『ボーダーライン』の山本浩司さん再び!
今回のメインのゲストは山本浩司さんでした。
「あれ?山本さんかな?」と思ったらやっぱり!
『相棒』シリーズの中でも名作と言っても過言ではない「ボーダーライン」でのゲストでした。
「ボーダーライン」は今思い出しても胸が苦しくなる問題作です。
そこで切ない演技で素晴らしい作品にしてくれたのが山本浩司さんでした。
今回の役もなかなかのキャラ。
元詐欺師で、口達者な実演販売員・酒井役で登場。
この酒井がよかった。
ただの口達者なだけではなく、更生をして真っ当に生きようと頑張っていたという背景が切なかったです。
幸い殺人ではなかったですけど、それでも捜査をかく乱させましたし、何よりも証拠隠滅をしてしまいましたから、右京さんと冠城さんに連れられて行くのが仕方がないと思います。
しっかり悪を憎むという青年に変わっていただけに残念でしたけど。
右京さんらしさがしっかり出ていた回
推理力を働かせて見事に解決に導くのは、さすが右京さんでした。
そして、頭が切れて勘がいい酒井は、右京さんを曲者だと感じ取っていたところも面白かったです。
関わってはいけないと思っていても、右京さんはどんどん近づいてきますから、やましいことをしていたら逃げられません。
このあたりの関係性を上手に見せていたと思います。
ラストは尾崎さんが最後まで兵頭と戦っていたところまで見抜いてくれて、大きく汚名を返上することができたのは救いです。
それでも、やったことは取り返しのない罪ではあります。
ただ真相を知れただけでも、こちら側には救われた感がありました。
右京さんは尾崎さんはしっかりと悪と戦って欲しかったでしょう。
そのうえで酒井を守る方向へと行って欲しかったと願っているようにも感じます。
それは右京さんの推理をすぐに理解している冠城さんも同様でしょう。
やりきれなさを感じつつも、右京さんが真相にたどり着けてよかったです。
今回の相棒
オープニングから自殺者を食い止めるという事件が発生するものの、のんびりとした雰囲気で始まった今回の相棒ですが、内容は意外とヘビーでした。
社会問題となっている詐欺グループに立ち向かっていく姿も描かれ、見事に解決できたところはよかったです。
しかし、山本さんの回は前回も今回も他殺ではなく自殺でした。
それはそれで悲しいです。
でも「ボーダーライン」ほどのやりきれなさではなかったのが救いです。
あれは相棒史上でも強烈な問題作ですから。
酒井は今度こそ真っ当に生きて欲しいですね。
根は真面目ですし、情に厚い人でもあるので、頑張って欲しいです。
また前回から登場して、イキっていた出雲さんが普通な感じで一生懸命捜査をしようとしていたのを見て、このまま順調にキャラが育っていけばいいかなと思います。
相棒に出てくる女性は、とにかく一癖も二癖もあるのでたまには男性でも女性でもいいので、癒しのキャラがいるといいのですが…。と思ったら、それが暇課長だった(笑)。
前回捜査一課のギスギスしていて空気が悪かったのですが、マシになっていてよかったです。
伊丹さんはいざ知らず、芹沢さんには普通でいて欲しい。
小出茉梨さんも今回は穏やかでした。
やっぱり花の里のようなところがいいのですが、こてまりさんは含みがありすぎて登場すると身構えちゃう。
森口さん好きなのに。
▽前回の相棒もどうぞ▽
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