『相棒20』第14話「ディアボロス」の感想です。
今回はすごく久しぶりの岩下悠子さんの脚本でしたので、前回の予告からとても楽しみでした。
初代相棒の亀山さんの時だけですもんね。
初代からの相棒ファンは多いですからこの復活は素直に喜んでいたように思います。
岩下さんお帰りなさい!
監督は守下敏行さん、脚本は岩下悠子さんでした。
▽目次です▽
さすが岩下悠子!犯人に目星はつくもののその展開が見事だった
岩下さんの書かれた相棒はハズレがないので今回も期待値が凄かったのですが、その期待をやすやすと乗り越える出来だったのではないでしょうか。
右京さんが和製シャーロック・ホームズであるという所以も出てましたし、推理していく様も初期の右京さんのようでワクワクして見ておりました。
岩下さんが知っている相棒は亀山さんだけでしたけど、冠城さんの描き方もお見事!
『相棒』とのブランクがあったとは思えませんでした。
「たかが嫉妬で人生棒に振るなんて」というセリフは素晴らしかった。
今回のストーリーは犯人の目星は割りとつきやすかったと思います。
いろいろ怪しい人は出てきますけど、お花屋さんが出てきた時点で「あ、こいつかも?」と直感が働き、まさにその通りでした。
岩下さんが秀逸なのが犯人がわかってもその動機やそこに至るまでの事件の流れがとてもわかりやすい上にドラマチック。
そしてマニアックな部分もあるのがたまらない。
正直お花のことは全然詳しくありませんけど、右京さんはそんな私にもわかりやすく説明をしてくれます。
ユリってそうなんだ、と…。
過去の『アゲハ蝶』を思い出しました。
博識な右京さんも垣間見れましたし、推理もお見事。
残念なのは自殺オチになってしまったことで、真相は闇のまま。
ただ視聴者は右京さんの推理がきっと正しいのだろうと思わせてくれるところが救いです。
きっとそうなんだろうな、と納得できますから。
そしてその結末は悲しくてどこか美しい…。
ものすごく奥深く余韻の残る結末だった
今回犯人はなんとなく目星はつきましたし、動機も展開で「なるほど」と思っていたのですが、最後の最後にどんでん返しがありました。
なるほど。
お花屋さんである一之瀬は、憎しみだけではなく、氷室さんの生け花の才能を開花させてそれを見たかったという欲もあったという部分。
一之瀬が花のくきを火で炙る場面がありますが、その時に「より美しく咲かせるために痛めつけることもある」と右京さんに説明をしています。
これが今回のお話の根幹なのでしょう。
氷室という才能の花を美しく咲かせるために、痛めつける必要があった…。
そして、一之瀬の思惑どおりに最悪でどん底の状況から氷室はまた新たな才能を開花させようとしていました。
愛と憎しみの背中合わせとでも言うのでしょうか。
一之瀬の愛はもちろん氷室の才能への愛情です。
好きとか嫌いとかの恋愛ではありません。
氷室の才能がみたいがために、氷室さんが倒れても創作を続けさせるように促してます。
ここも一之瀬の勝手な欲望が出ている場面でした。
ラストの氷室さんへの嘘の手紙。
右京さんが言うように一之瀬が死んでしまった後なので、本当のところはわからないです。
でも、右京さんが推理したように最高傑作を生み出そうとしている氷室さんを見ると、そうなのだと納得する自分がいました。
悪魔という意味の「ディアボロス」。
一之瀬がその「ディアボロス」だったわけですが、右京さんの言うように氷室聖矢という天才をさらに昇華させるために、悪魔になったということなのでしょうね。
そこに見事なドラマがありました。
非常に余韻の残るラストでした。
今回の相棒
冒頭でも言いましたけど、岩下さん、本当にお帰りなさいです。
久しぶりの岩下脚本なのですが、wikiで調べたら2008年11月12日放送の「隣室の女」以来になるようです。
実に13年ぶりの相棒再登場!
その10年以上のブランクを感じさせない脚本の力を今回しっかりと見させていただきました。
岩下さんにとっては初となる青木くんや出雲さんの使い方もセリフもよかったです。
冠城さんも右京さんの相棒感がすごくありました。
あとどのくらい『相棒』が続くかはわかりませんけど、岩下さんにはまた脚本を書いて欲しいですね。
『科捜研の女』に行ってしまったのが本当に惜しまれます。
ゲストの渡部豪太さんの天才の演技もよかったですし、一之瀬役の冨田佳輔さんの狂気さのある二面性の演技もよかったです。
そういえば、オープニングで殺されてしまう婚約者の女性がとても愛らしい方で犯人ではないのだろうと思ってましたけど、一之瀬に加担してしまっていたのは驚きました。
でも結果は本気で氷室さんを愛したということなので、見た目通りに愛らしい方だったのでしょう。
フィンガークロスをするくらいですし。
次回は山本むつみ脚本の回 遠峰小夜子プリーズ!
さて次回の相棒は風間杜夫さん演じる平井が再登場です。
山本むつみさんの脚本回ですが、山本さんなのであれば遠峰小夜子の回が見たいんですけど…。
冠城さんとの危うい関係、どうなるんでしょうかね?
冠城さんが卒業してしまうのですが、これは「なし」の方向になるとしたら残念です。
少なくても平井の回はキャラの使い方が良かったのでそこは楽しみにしております。
のんびり楽しむ回になるのかな?
▽前回の相棒もどうぞ▽
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