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『相棒20』第6話「マイルール」右京さんが導く推理小説と現実のリンクが秀逸 悲しいが救いもあった結末

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『相棒20』第6話「マイルール」の感想です。

 

前回に引き続き、非常に良い回だったと思います。


メインのゲストである菅原大吉さんの演技が素晴らしかったです
だからこそ感情移入がしやすく、見る者の心を揺さぶる回でした。


監督は橋本一さん、脚本は森下直さんでした。


▽目次です▽

 

テーマはとても重かったがいい結末だった

今回の柱となるテーマは、被害者家族と加害者です。
14歳の娘を殺された過去を持つ巨匠ともなった大人気のベストセラー推理作家。
そして、その犯人の男。


テーマとしては大きなテーマですので、1時間の相棒枠ではもったいなかったほどの内容だったと思います。
そのせいもあり、娘を殺した犯人にたどり着くまでの苗字の羅列がちょっとこんがらがったり。


しかし、大元のテーマがブレていないので最後は感動して涙が出ました。


福山先生は最終的に娘を殺した犯人を赦します。
その救いがグッときました。
その境地にたどり着いたのは本人とその奥さんを目にしたからでしょう。
絶対に赦せない、復讐してやるという気持ちで取り組んでいた小説でしたが、福山先生が選んだ決断は「赦す」というものでした。

 

ラストの小説を映像化してましたが、14歳の娘のしおりさんを抱きしめる福山先生が切なかった。
でも赦すことにした先生を優しい笑顔で迎えていたしおりちゃんがすべてだったように感じます。

 

今回の相棒の中では描ききれませんでしたが、きっと村上さんにもその気持ちが伝わり、もう一度しっかり生きる決意をしてくれたらいいなと思います。

 

この問題は難しいですよね。
はたして自分の家族が理不尽な理由で殺されて、しかも少年法で守られた場合赦すことができるのだろうかと考えてしまいます。

 

やはり赦すという気持ちに至るには、本人の誠意を知れることが大事でしょう。
福山先生が謝罪の手紙には名前も住所もなかったと詰る場面がありましたけど、その気持ちはよくわからないでもない気がします。

 

小説の種明かしが進むにつれ、福山先生のマイルールに執念と恐ろしさがありましたが、最後はいい結末に落とし込んでました。
村上さんは恐怖に慄いていましたが、福山先生が赦そうと決意したのは間違いなくレストランに行ったからでしょう。
そのあたりの展開もよかったです。

 

 

 

犯人はそうきたか

村上さんと福山先生の関係はあくまでも横軸で、真の犯人は別におりました。
相棒にしてはえらく早く犯人が捕まったなと思ったら、それはあくまでも真犯人にたどり着くまでの最初の一歩です。

 

犯人はそっちかという感じでしたけど、納得はしました。
ああいう職業だからこそ正義を貫て欲しいという感じがしましたので、殺す動機が結局は自分の保身だったのがとても残念です。

 

それでも原稿を捨てたり燃やしたりせず、ちゃんと保管をしていたというのがよかった。
自分が殺した人の小説をあらためて読む勇気ってるのかどうかはさておき、しっかり目を通して話に感銘を受けたがために捨てられたなかったというのは幸いでした。
これで先生のファンも最終回を目にすることができるわけです。

 

右京さんの道しるべ

今回の相棒は事件の解決というよりも、小説の案内を右京さんが解説しているかのようでした。
相棒らしさという点ではかなり薄っぺらではありましたし、捜一トリオの活躍もいまいち。
暇課長だけは平常運転でした。

 

それでも推理力のある右京さんが、小説の内容がこうであろうということを上手に伝えてくれていたので、我々視聴者はこの話を理解しやすく、感情移入もしやすかったと思います。

 

相棒本編というよりはスピンオフな感じではありましたけど。
今回のような右京さんや冠城さんの活躍ですと、賛否両論はあるのかもしれません。

 

ただストーリーは間違いなく面白かったです。
しかし博識な右京さんが福山先生の小説を「運命の来たる日」以外全然読んだことがなかったというのは意外でした。

 

次回の予告はほんわかムードがありましたけど楽しみです。


▽前回の相棒もどうぞ▽

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