『相棒21』第5話「眠る爆弾」の感想です。
すごく引き込まれる回でした。
化学的な部分もありつつ、人物の相関図が二転三転するあたりも面白かった要因だと思います。
監督は権野元さん、脚本は岩下悠子さんでした。
岩下さんは初代相棒でキラリを光る脚本を書かれてファンも多いですよね。
前回の『相棒20』からの再登場も裏切りませんでした。
今回もバッチリです。
▽目次です▽
爆弾が爆発するインパクトからの事件
先週予告を見ていたのですが、爆弾魔の話であることをすっかり忘れておりました。
そのため、警備員さんが爆弾に近づいてドカンはビックリ(笑)。
そうだった爆弾の話だっけと思い出しました。
そんなインパクトのあるオープニングから始まり、すぐに爆弾魔の犯人は平山という大学生でした。
自ら犯人であるということ警察に動画で知らせたわけです。
そこからの事件の流れが面白かったですね。
化学的なことは右京さんではないので、正直ピンとは来ない部分がありますけど、今回は大学の研究の部分とクラッシュ症候群ということでし
た。
そこに絡んでいる人物描写も興味深かったです。
今回のメインである平山が犯人であることはわかりますけど、どの動機と真実に辿り着く右京さんの推理がさすがでした。
亀山さんもしっかり肉体派でバッチリ相棒として大活躍でしたよね。
最後の三沢准教授と奥様を救出するところはカッコ良かったです。
事件の元は資金不足と勘違い
今回平山が爆弾魔にまでなるほどの動機は、一緒に研究をしていた学生の森原さんの死を思ってのこと。
そこに至ったのが、三沢准教授との不倫を勘違いがあります。
さらに遡ると、森原さんは自分で事故を起こした。
その理由が資金を調達するためというのが悲しかった。
平山が言うとおり、森原さんは真っすぐで一途な方でした。
平山さんを思っていたのにこのすれ違い。
順番で行くと…。
- 大学の研究室は常に資金不足
- 平山の研究を進めるの資金調達のために、森原さんは自作自演で爆弾を仕掛けて騒ぎを起こそうと試みた
- その爆弾に本当に巻き込まれて不慮の死を遂げる
- 平山は一連の事件の流れを三沢准教授と森原さんとの不倫だと勘違い
- さらに平山は、爆弾事故を仕向けたのは三沢准教授を思い込む。
- 平山は三沢准教授を監禁し、クラッシュ症候群からの爆発をさせようと企て実行
平山の真っすぐで一途な面が間違えた方向に行ってしまった最悪な例でした。
幸いだったのは、三沢准教授も奥様も無事だったことです。
三沢准教授は怪我をしてしまいましたけどね。
この人間関係と人間模様が実に興味深かったです。
てっきり不倫関係なのかと匂わせておいて、全然違うという。
資金不足を本気で悩んでいたというのが真相です。
そして、きっと森原さんは平山のことが好きだったのでしょう。
もちろん平山も森原さんに愛情があったので、実際には両想いの二人だったわけです。
若い才能のある研究者がお金がないために、研究を続けることが難しいという社会的なメッセージが一番の大事な部分で、それを取り巻く人々と、事件に至るまでを上手に描かれてましたよね。
さすが岩下さんでした！
今回の相棒 ラストの右京さんと亀山さんにはほっこり
緊張感と悲しみが続いた事件でしたけど、ラストのこてまりでの場面は温かかったですよね。
亀山さんを「一途な人」と指摘しているのですが、当の亀山さんは右京さんだと勘違い(笑)。
このやり取りが楽しかったです。
本当に最強で最高の相棒！
こういう絶妙なコンビ感を岩下さんがラストに入れてくれたのが嬉しいです。
そして、「眠る爆弾」の意味も明かされました。
このあたりはさすが右京さんだなぁと思わされます。
美和子さんがこういう事件を報じていくと、確かに世間に知られるいいキッカケになりそうですよね。
日本には助成金が得られず資金が不足しているという大学の研究室はたくさんあるんだろうなと考えさせられもしました。
ネットニュースやテレビでもたまに見かけますけど、それを相棒のテーマとして取り上げ、引き込まれる内容になったのはお見事でした。
しかし、今回の舞台となった城南大学はまた事件が起きましたよね。
入学する学生さんが減るのではないかとどうでもいい心配をしてしまいました。
▽他の相棒もどうぞ▽
①『相棒21』第4話「最後の晩餐」ラストに救いがあり感動した回 美和子スペシャルが悪い意味で進化してた - 今日も暇です。
②『相棒21』第3話「逃亡者 亀山薫」とても悲しい真実に泣けたが右京さんと亀山さんの信頼が良くわかる回 - 今日も暇です。
