『相棒21』第9話「丑三つのキョウコ」の感想です。
今回の右京さんは都市伝説に絡んだ事件を解決します。
監督は権野元さん、脚本は根本ノンジさんでした。
▽目次です▽
すごく興味を引くオープニングだったが
まずオープニングが怖かった(笑)。
ちょっとホラー色が強い上に「やられる！」と思った瞬間、美和子さんが登場してホッとしている自分がおりました。
最近バズっている都市伝説の話題でした。
丑三つ時に白いコートを着た長いストレートの黒髪の女性「キョウコ」が人の心臓欲しさに現れるという伝説。
心臓を取られないように、ハートのキーホルダーがバカ売れしているというくらいのバズリ用です。
右京さんはオカルト系のお話大好きですよね。
きっと全うに解決するんだと期待値があがっておりました。
ところどころの粗さが目立っていた
まずは2つの事件のそれぞれの犯人がいたわけですけど、1人目のsashimiこと松田がまあゲスい。
バズるためならなんでもやっちゃう系のイタイというか、承認欲求の塊というか、自分のことしか考えていない非常に嫌な人物でした。
右京さんをこっそり撮影して、それをバズらせてしまう人物でもあります。
右京さんにツッコまれた際に、咄嗟に返答に困る様を見てすぐに怪しいと見ている方も思ってしまい、そのまま犯人の1人だったのはちょっと、という感じがしました。
しかも本当にただのゲスだったという。
松田の動機は右京さんが解明してくれましたけど、そんなことで人を殺してしまうという発想が怖いです。
松田に殺された大村さんは都市伝説というか情報伝達の研究をしており、そのために松田を利用していました。
これはわかるのですが、どうして大村さんは止めようとしたんでしょうか。
そこの理由が曖昧だったのが気になりました。
大村さんと殺す動機があんな理由だったことと、大村さんの止めた理由が不明なことが雑な印象を受けました。
こういう自分の欲のためにだけ動く人も世の中にはいるので、あり得なくはないんですけど、もう少し背景に説得力が欲しかったです。
メインの殺人犯も背景もモヤモヤ
そして本題となるメインの殺人ですけど、殺されたフリースクールの河上もすごいゲスい人物でした。
とんでもないフリースクールの上、高額請求までする悪党でした。
犯人は足立先生という加奈さんの高校の先生でした。
この背景がいろいろ複雑というか、過去の残念なやり取りが右京さんによって明かされましたけど、なんか内容が薄っぺらく感じたんですよね。
部活で怪我をしていた加奈さんですけど、それを先生には内緒にしていたために無理やり試合に出させ、結果がダメだったことを罵倒。
それがキッカケで加奈さんが引きこもることになり、先生は猛省…らしいんですけど、そんなに急にいい人になりますかね？
たとえなるにしても、もっと大きな心の揺れとか響く出来事がないと説得力に欠けます。
確かに引きこもりの原因が自分だとすれば、動揺はすごくあるでしょうけど。
ものすごく悪かったという気持ちがあったにせよ、ちょっと説得力に欠けていたように感じます。
元々すごくいい先生でご自分を責めていたというのであればまだわかるのですが。
意外といい先生なのかもしれないですけどね。
教え子の河上を紹介するなんて、生徒が可愛くないと出来ないことでしょうし。
悪党だとわかってはいなかったので、純粋に河上のために、ということと、加奈さんを救いたいという気持ちだったのでしょう。
ただそれが確実に伝わってこなかったため、感情移入が出来なかったです。
あとお母さんの手紙も不自然に感じたので、そこで先生には何かあるんだなというのを感じてましたけど、本当にそうでした。
加奈さんが先生の気持ちを組む優しい娘さんだということは救いでしたけど、引きこもりから脱することができるのかどうか。
右京さんと亀山さんは希望を見出すようなことを言ってましたけど、そのとおりになるといいなと思います。
冒頭が面白そうと感じさせてくれただけに、ただただ嫌なヤツが出てきたという印象が強く残った回でした。
それと2週連続で2つの事件の犯人が別でしたね。
右京さんと亀山さんの相棒感はよかっただけに、ちょっと残念な回だと感じました。
▽他の相棒もどうぞ▽
①『相棒21』第7話「砂の記憶」砂時計が結び付けた時効間近の事件を右京さんが解決 被害者に寄り添った回 - 今日も暇です。
②『相棒18』第6話「右京の目」盲目でも名探偵な右京さん！推理が炸裂で最高に面白かった！ - 今日も暇です。
