『最愛』10話(最終回)の感想です。
ついにこの秋冬最高にのめり込んだドラマ『最愛』が最終回を迎えました…。
素晴らしいドラマでしたね。
ちゃんと犯人もいて、事件の真相がしっかりあって、それぞれの最愛がほぼ明確になってました。
もう来週からの楽しみがないのがしょんぼりです。
スピンオフでやって欲しいですけど、どうなんでしょうね?
ここから先は、感想なのでネタバレを含みますのでご注意ください。
▽目次です▽
犯人は想定内だったけどいい流れではあった…でも悲し過ぎる
犯人は加瀬さんでした…。
正直、加瀬さんかもしれないと思えるのは数回前で感じており、あり得なくはなかったですし、その時の衝撃の方が強かったので加瀬さんだと分かった瞬間は「やっぱり…」という感じでした。
この流れが上手かったですよね。
毎回誰が犯人かドキドキするのですが、前回がまさかの「大ちゃん!?」となった際が最大の衝撃でした。
加瀬さんの犯人フラグの回よりもインパクトが絶大でしたし、仮に大ちゃんが犯人だったとしたら、割とサイコパスな感じになるのでそこもモヤモヤしていました。
いつも正義の味方な大ちゃんが犯罪おかしていて、でも事件を追う刑事さんってちょっと受け入れがたいです。
これが正義の味方キャラじゃなければそこまで思わないのですが。
そこを天秤にかけた場合、幾分加瀬さんの方が受け入れやすい。
SNSではお兄ちゃんの好感度がめちゃくちゃ低いので、「お兄ちゃん犯人説」が根強くありましたけど、それだとドラマチックにはならないんですよね。
もっと梨央や大ちゃん、加瀬さんに絡む重要キャラだったらいいんですけど、そういうこともなかった上に政信が犯人では「でしょうね」くらいで終わってしまうわけです。
拍子抜けしてしまう結末になりかねません。
加瀬さんかもしれないという嫌な予感を少し前に与えておいた、そして、視聴者に犯人探しの選択を与えていたからこそ、今回のラストはすごく納得がいくストーリーになっていました。
悲しい過去の事実が切なすぎて、悲しくて…。
加瀬さんはちゃんと警察を呼ぼうとしてましたよね。
加瀬さんも弁護士さんなので正義の味方ではあります。
すごく優秀な弁護士ですし、梨央たちの最大の理解者でもあったわけです。
その一方で、大事な者を守るための信念は感じられていましたし、自身のテリトリー外には厳しい一面もありそうな人物像ではありました。
その2つの側面を持つ加瀬さんを見事に演じた井浦さんは本当に素晴らしかった…。
加瀬さんは共感を持てる、好印象が持てる人が演じないと大失敗になりますから。
悲しすぎる過去の真実
ブラックボックスが開き、事件の全貌が明らかになったわけですが、本当に悲しい出来事でした。
あの日あの時、加瀬さんがお父さんと会っていなかったら…。
違う日に会っていたら…。
きっと全然違う未来で、加瀬さんが犯罪に手を染めてしまうことはなかったと思います。
少なくても渡辺親子の件には関わらずに済んだでしょう。
あの夜が全てを狂わせたと思います。
達雄さんが自分の息子を守りたい、梨央を守りたいという最大の親心に負けてしまった加瀬さん。
その親心が加瀬さんにものすごく響いたのは、ご両親がすでに他界されていたという事情もあったのでしょう。
達雄さんがあの時に優くんを守ろうとしなければ、加瀬さんが最大限の弁護をして守ってくれたのではないかという「if」が過ります。
達雄さんは自分が罪を被ろうとしていたわけですけど、皮肉なことにくも膜下出血でまさかの他界…。
加瀬さんに重い十字架を背負わせたままになってしまいました。
そして、15年後に今度は池から上がった渡辺父と出くわせてしまうわけです。
これもタイミングがズレていたら加瀬さんは殺さずに済んだでしょう。
真田ウエルネスはとんでもないことになった可能性もありますが、加瀬さんは人殺しにはならなかったはず。
橘しおりは揉みあった末の転落事故でした。
この件は会社のことも絡んだことなので、もしかしたら免れなかったかもしれませんが、加瀬さんはその場から逃げることはせず、出頭したかもしれません。
あまりにも過酷な運命になってしまった加瀬さん。
『家族』に強いこだわりがありましたし、達雄の意志を引き継ぐかのように、梨央と優の幸せを願い守ることが加瀬さんの「最愛」への答えだったのかなと思います。
しかし、悲しすぎる。
事件の犯人を知った大ちゃんの涙
捜査一課に戻り、未解決事件となった渡辺父殺人事件を解決に導いた大ちゃん。
犯人を知り、その犯人である加瀬さんと会話します。
そして、梨央と話をする時に涙を流す大ちゃん。
梨央が信頼しきっている加瀬さんが犯人であると知った衝撃とやるせなさもあったでしょうけど、梨央には悟られまいと会話をする姿が切なかったです。
残念ながら加瀬さんを捕まえることが出来ませんでした。
そこが気になりますけど、自殺をしていなそうな結末だったのが幸いです。
どこかでひっそり生きていてくれることを望みますし、大ちゃんも願っていることでしょう。
梨央は幸せを掴む
前回、お母さんである梓さんは全ての罪を被る覚悟で、警察に出頭するという悲劇はありましたけど、不正を知っていたこと以外は大きな罪を犯してはいません。
梨央に冷たかったお兄ちゃん・政信と共に会社を他の人に任せるという決断をしますが、このあたりは梓さんの才覚を受け継いだのでしょうね。
政信さんもボンクラなボンボン社長ではなく、企業のトップとしてはまともだったのもあの場面で理解できました。
きっと憎まれ口を叩き合いながらも、兄妹仲は良くなっていくような雰囲気がありました。
敵対心剥きだしだった後藤さんともちゃんと話せる間柄にもなっていました。
後藤さんは梓さん側に行くと行ってましたから、自分の罪を告白するために出頭するのでしょう。
でも、きっと梨央は支えになってあげるはず。
そして、梨央の念願の薬の承認もおりました。
奇しくも同日の同時刻に、加瀬さんが犯人として追いかけられている時でしたが、梨央はその詳細を知らぬまま現在に至っていました。
勘がいい梨央は、加瀬さんが事件に関わっていたのだろうと察していたのがラストでわかりますけど、薬の承認時に一番に喜びを分かち合いたかった相手は加瀬さんだったでしょうに、そこだけが梨央の気がかりになってしまっていました。
そのあたりの対比がドラマチックでしたね。
ラストは梨央と大ちゃんがその後も順調だとわかってホッとしました。
梨央の手を握って「小さい手やな」という大ちゃんに「あったかい手やな」と答える梨央。
一緒になる日も近い感じで終わってました。
梨央と大ちゃんに関しては、後日談が見たい(笑)。
『最愛』を見終えて…
今回このドラマと出会えたことに感謝しかないです!
そんなに熱心にドラマを見るタイプではないのですが、吉高由里子さんは好きな女優さんであることと、吉高さんのドラマにハズレがないのでなんとなく初回を録画していました。
SNSで1話の反響があったので、2話を録画後に合わせて視聴したのが始まりです。
めっちゃ大ハマり!
サスペンス物に恋愛要素が絡むというドキドキ感が素晴らしかったです。
宇多田ヒカルさんの「君に夢中」の効果も凄かった。
あのテーマを聴くと涙が出るくらいの条件反射です(笑)。
できれば、1人1人に焦点を当てて掘り下げたものも見たかったくらいキャラ設定もしっかりしていましたし、主要人物の「最愛」がブレていなかったのもこのドラマに夢中になった理由でしょう。
本当に素晴らしいドラマをありがとうございました!
これからParaviの塚原監督×新井Pの裏トーク配信に突撃してきます!
ディレクターズカット版も楽しみ!
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