2019年8月31日放送の『激レアさんを連れてきた。』を観ました
今回の激レアさんは「邪道と罵られながらも超アウトローな俳句で賞をとった歌舞伎町の松尾芭蕉、ツバサさん(北大路翼さん)」です。
「ヤバイ組織に属しちゃったSP」という括りの2人目は、ツバサさんです。
「夏井いつき先生も絶賛!超アウトローな俳句で快挙を成し遂げた歌舞伎町の松尾芭蕉」と紹介されてました。
この方、見た事あるような…?
ネットニュースかテレビで見たことがあるような気がします。
なんだったかな…。
「屍派」という俳句の会をされているんですよね。
『プレバト』でおなじみの夏井先生の話も出てきたような…。ものすごく記憶が曖昧です。
◆ゲスト
星野源さん、足立梨花さん
▽目次です▽
- ツバサさんは歯が無く見た目がヤバイ
- ツバサさんの独特な俳句 その名も「アウトロー俳句」
- ツバサさんの俳句一例
- ツバサさんの俳句歴
- 屍派の句会で詠まれた句の一例
- ツバサさんの俳句との出会いは種田山頭火の自由俳句
- 大人の句会で挫折を味わう
- もっとアウトローになろうと歌舞伎町に住む
- SNSがキッカケで出版社の目に留まる
- 俳句界の若手の登竜門と言われる田中裕明賞でグランプリ!
ツバサさんは歯が無く見た目がヤバイ
ツバサさん、『水曜日のダウンタウン』で街頭インタビューされたらイジられる歯ですね。
前歯が1本だけでした。
なかなかキョーレツ。
なんかツバサさんの方がメンズーアしそう(笑)。
口を閉じていれば、ラッパーの人のような風貌です。
イケメンになるんじゃないでしょうか。歯を見せなければですけど。
ツバサさんの独特な俳句 その名も「アウトロー俳句」
◆俳句の定義
- 有季定型俳句:季語を含む「五・七・五」の17文字
- 自由律俳句:季語が無くてもOK。文字数も自由
一般的な俳句のルールは「五・七・五」の17音に季語を含んでいますが、ツバサさんの俳句の作品はそのルールに縛られない俳句です。さらに、俳句に使わない言葉バンバン盛り込みます。そのため「アウトロー俳句」と言われているとのこと。
上記の定義でいえば、ツバサさんは自由律俳句に当たります。
夏井先生は『プレバト』で俳句で使っていけない言葉は何もない、とおっしゃってました。
ネットスラングもOKって言ってましたし。
▶『プレバト!!』5月23日「俳句・消しゴムはんこ」キスマイ玉森俳句で草生える! - 今日も暇です。
上記は初プレバトのキスマイ玉森さんの回です。
夏井先生のお話では、どんな言葉を使ってもいいが、ちゃんと俳句にすること。読み手に映像が伝わる事が大事と常々おっしゃられています。
ツバサさんの俳句も奇をてらっているようで、基本はしっかりされているからこそ評価されているんだと感じます。
どんな激レア体験なんでしょうね。
ツバサさんの俳句一例
◆俳句①
ウォシュレットの
設定 変へた奴
殺す
ツバサさんの解説:ウォシュレットが痛いのは冬。
◆俳句②
ハンカチを
たまたま持ってたから
好きに
ツバサさんの解説:好きになるのに理由はいらない。
自由律で歌舞伎町のアウトローな世界を詠んでいるとのこと。
そこが評価されているんですね。
でも上記のウォシュレットの俳句、映像が思い浮かべますよね。
いい句だと思います。
◆◇◆ ◆◇◆
ツバサさんの俳句を読んで、小さい頃に本で読んだ北川冬彦の詩を思い出します。
それがコレ。
「改札口で
指が切符と一緒に切られた」
詩のタイトルは「ラッシュアワー」ですけど、こういうのが自由律俳句に繋がっている気がします。
全然違うかもしれませんが。
あまりにキョーレツな印象だったので、何十年と経っても忘れられません。
ツバサさんの俳句歴
- 俳句界の期待の新人に送られる田中裕明賞を受賞。
- 夏井いつき先生もツバサさんの本の帯を書かれていて、大絶賛!
- 8年前の2011年。俳句集団「屍派」(しかばねは)を結成。会員数は200人超え。
- 「屍派」は歌舞伎町でお酒を飲みながら俳句を詠む。俳句は難しくもなんともない。「俳句は超ハッピー♪」
- 屍派の句会ルール:お題が決まると、無記名で作品を集め、誰が詠んだか分からない状態で品評し合う。
- 屍派は8畳に集まって俳句を詠む。俳句を考えている最中は静か。
なんでしょう。70~80年代のような香りが漂ってました。
屍派の句会で詠まれた句の一例
お題:プリン
◆俳句①
さくらんぼ
プリンの上なら
許される
ツバサさんの評価:(クリームソーダのイメージ)「氷の下」の方が良い。プリンの上だと偉そうすぎる。さくらんぼが何処にあったら一番面白いかを考えるのが俳句。
◆俳句②
プリンごと夏が
ひっくり返ればな
ツバサさんの評価:これはいいね。人間の楽しさって「プリンの裏側が見える」こと。人間の本質を突いている凄い句。
◆俳句③
失敗したプリン
ダックスフンドに
食わす
◆俳句④(番組スタッフの句)
一人きり
プリンをプッチン
気持ち良さ
ツバサさんの評価:プリンの「リン」は倫理のリン。倫理観に対してイラついている。政治とかに不満のある人の句。
◆◇◆ ◆◇◆
ツバサさんがしっかり評価していました。
見た目とは違って、俳句への真剣な気持ちが伝わる解説と、言葉選びの上手さを感じました。
ツバサさんの俳句との出会いは種田山頭火の自由俳句
- ツバサさんが衝撃を受けた俳句は国語の教科書に載っていた俳句。「さくら まんかいにして 刑務所」種田山頭火の句。
- 「五・七・五」のルールがないことと、でも教科書に載っているという衝撃だった。カッコいいと感じた。
- 種田山頭火は季語や「五・七・五」のルールを無視した自由律俳句を詠んだ俳人。酒をこよなく愛した世捨て人と言われている。
- 種田山頭火に衝撃を受けたツバサ少年は、俳句=世捨て人、アウトローだと解釈した。
- 小学生の時はずっと俳句を作っていた。先生とは仲が悪かった。
その時に作った俳句は「バカが 傘さしてる」でした。
ツバサさん曰く、この俳句のバカは自分のことで、辛い世の中を頑張って生きようというメッセージを込めていると言ってました。
そう考えると深い。
それを小学生で詠んだんですね。
ゲストの星野源さんも授業をあまり出ないで歌ばかり作っていたとのこと。
好きなことを突き詰めるというのも大事なのでしょう。
あくまでも突き詰める、ということ。中途半端はダメですね。
大人の句会で挫折を味わう
- ツバサさんは我流で俳句を作り続けていた。
- 初めて句会に参加してみた。そこにはお年寄りのベテラン俳人ばかり。
- そこでツバサさんが詠んだ俳句。「男は手 女は足を入れ 炬燵」という男女の仲を詠んだ作品。
- これにベテランたちからは俳句をバカにするな、下ネタじゃないかと怒られる。
- さらに「心温をわけあってゐる昼寝かな」を詠む。「心温」は心音と相手の温かみを表現する造語。
- これにもベテランたちからは、なめているのか、そんな言葉はないと怒られる。
- この句会でボコボコにされたツバサさんは、「俺のスタイルを貫いて見返してやる!」と決意。
この反骨精神がキッカケなんですね。
ここでフルボッコに遭ったからこそ、今のツバサさんがあるんですよね。
もし適当に褒められていたら、才能は眠ったままだったのかな?
もっとアウトローになろうと歌舞伎町に住む
- ツバサさんの俳句の信条は、自分の見た物を俳句にするのがモットー。
- もっと凄まじいリアルな俳句を詠むために、凄まじい世界へと向かう。そこがアウトローの巣窟、歌舞伎町だった。
- 30歳で歌舞伎町の住人になり、酒で良いながら街を徘徊し、俳句を詠むという生活をする。
- 俳句集団「屍派」を結成。
◆その頃の俳句
傘の持ち方が変な
茶髪のキャミソール
ツバサさんの解説:ギャルに構って欲しかった。
◆俳句②
こんにちは
すけべな
花咲か爺だよ
ツバサさんの解説:桜よりも女性が好き。声をかけた時に詠んだ句。
◆俳句③
喉が痛い
頭が痛い
今会ひたい
ツバサさんの解説:言い訳をしないと女性に対して素直になれない男性の情けなさ。
映像が浮かびあがりますね。
俳句のテーマも身近ですし、親近感が湧きます。
それがツバサさんの俳句の魅力なんでしょうね。
SNSがキッカケで出版社の目に留まる
- アウトロー過ぎて、俳句界にまで届くことはなく、思いついた俳句をSNSに垂れ流していた。
- 2012年頃から島田牙城氏がSNSでのツバサさんを俳句を読んでいた。
- 1日20~30も俳句を呟いていた。俳句はいい作品だけ発表したらいいのに、ガラクタな俳句も一緒に呟いていた。
- それでも読み続けていたら、面白い句が出てきた。
- ツバサさんの本質はシャイ。それを隠すために酒を飲んで素になり、裸の自分を見つめ直してありのままで俳句を創作する。
- そういうスタンスだからこそ、ツバサさんの俳句は人の心に届く。
- 島田氏はツバサさんの俳句の本が賞を獲ると自信を持っていた。
やっぱりSNSってスゴイ!
きっとその頃のフォロワー数なんてすごく少なかったでしょうに。
才能がある人は発掘される可能性が高いということかな。
俳句界の若手の登竜門と言われる田中裕明賞でグランプリ!
- 島田氏が出版した本をツバサさんに内緒で応募し、第7回田中裕明賞でグランプリを受賞!
- 俳句界の権威ある賞で、俳句界の大御所俳人が選考しており、著名な俳人を生み出している賞。
- 選考委員からの評:掃いて捨てても惜しくない俳句の多さには閉口したが、詠み終えた後に残る輝きは群を抜いている。
- 「俳句は素敵なものだ」ということを恩返しとして俳句をやっていきたい。
アウトローな生き方をし、そういう俳句を詠んできたツバサさんですが受賞は素直に喜んだそうです。
こういうところに人柄が出ますよね。
ツバサさんの句会に参加したおじいちゃん、おばあちゃんは覚えているかな。
◆◇◆ ◆◇◆
ラベリングは「テレビの「五・七・五」は守って欲しい人」(激レアさん No.107)でした。
ツバサさん、発言が自由でしたもんね(笑)。
でも俳句への想いは本物でしたし、恩返しをしたい気持ちも偽りはないでしょう。
ツバサさんの意志を継ぐ「屍派」の後輩たちが世に出てくるといいなと思いました。
今や立派な俳人ですから、影響を与えていることは間違いないでしょう。
今回のもう1人の激レアさんは秘密結社の決闘「メンズーア」で闘った大学教授でした。
▶激レアさん 8月31日 菅野瑞治也 秘密結社の決闘「メンズーア」に巻き込まれた悲劇が凄すぎる - 今日も暇です。
▽俳句といえば『プレバト』▽