2020年12月24日放送の『プレバト才能ランキング』は、「夏井先生の劇的添削アワード」の査定でした。
なんと『プレバト』は8年間放送されて今回で300回ということで記念の回でした。
以前もこういう添削の回があった気がするのですが、今は思い出せず…(笑)。
今まで詠んだ俳句は1876句とのこと。
そのうち添削がなかった句は430句で、約23%。
残り1446句を夏井先生が添削しまくったということです。
今回は夏井先生ご自身が「これは上手くいった」と評価される劇的添削アワードが発表されました!
夏井先生の添削はいつも素晴らしいですが、そのうちでも「これは」というのはどの句なんでしょうか?
「才能なし」俳句⇒名句に生まれ変わる瞬間を再び楽しみたいです。
◆ゲスト
- 梅沢富美男さん
- 小島瑠璃子さん
- タカアンドトシ(タカさん、トシさん)←初出演!(笑)「(初めて)呼ばれたのが300回記念でこっちが戸惑ってますよ…」(byトシ)
◆俳句の先生 夏井いつき先生
▽目次です▽
- カッコつけた駄作をよくぞここまで直した部門
- 内容カスカスの駄作をよくぞここまで直した部門
- 何が言いたいかさっぱりわからない駄作をよくぞここまで直した部門
- 季語を台無しにした駄作をよくぞここまで直した部門
- 季語盛りだくさんの駄作をよくぞここまで直した部門
- 空想だけの駄作をよくぞここまで直した部門
- 言葉のムダ遣いだらけの駄作をよくぞここまで直した部門
- 夏井先生の怒りが収まらない駄作俳句アワード
- 2択クイズ どっちが才能アリの俳句?
カッコつけた駄作をよくぞここまで直した部門
「小手伸也」20点(才能なし)
手末の
凝乳(くりーむ)ほける
子栗鼠顔(こりすかお)
◆夏井先生の添削後
クリームなめる
秋の小栗鼠の
ような吾子
◆夏井先生の添削(抜粋)
古語を美しいと思われたのはわかる。
普通に書きゃいいのに何を気取るんだと思って。
◆今回の夏井先生振り返り
俳句の世界では本来駄作は捨てるもの。
それを添削という形で私は1000句も直してるの!
とっても苦労するもんなんですよ。
よくやったと自分にいいたいよ!
内容カスカスの駄作をよくぞここまで直した部門
「つるの剛士」30点(才能なし)
絢爛な
雛を納めて
居間の寂しさ
◆夏井先生の添削後
雛納して
我が小さき
居間広し
◆夏井先生の添削(抜粋)
一見書けているような気がした方もいると思うが、内容はカスカスです。
いろいろ書いているが季語1つで解決できる。
それが「雛納」。
ここには「雛納」と「居間」の情報以外、あなたは何もお書きになっていない。
◆今回の夏井先生振り返り
内容で言ったら5音の季語しか書かれていない俳句ですよ。
本人の書いていないことを足したら、添削ではなく改作になってしまう。
「居間」という言葉を残して、何とか残りを埋めたって感じ。
まあなんとかしたかなっていう一句。
何が言いたいかさっぱりわからない駄作をよくぞここまで直した部門
「二階堂高嗣(Kis-My-Ft2)」20点(才能なし)
涙する
親父の背は
シダレザクラ
◆夏井先生の添削後
涙する
親父と花の
夜の屋台
◆夏井先生の添削(抜粋)
まず日本語として何が言いたいのか読んだ人によく伝わりません。
「背はシダレザクラ」だと何か彫ってらっしゃるのかしらとそう思う人がいるかもしれない。
問題はもっと根深い。
季語「シダレザクラ」が親父の背のように曲がっているというのであれば、この比喩は季語の鮮度を落としてしまう。
とにかくこれはアウト!
◆今回の夏井先生振り返り
これは本当に困った句。
何が言いたいんだかわからないんだから。
それでも何とか形にしましたよ。
二階堂くんに添削料を払ってもらいたいぐらいだよね。
季語を台無しにした駄作をよくぞここまで直した部門
「杉浦太陽」15点(才能なし)
忍び抜け
林間学校
逢い引きよ
◆夏井先生の添削後
林間学校
恋のはじまる
エスケープ
◆夏井先生の添削(抜粋)
「逢い引き」って何で書いたんですかね?私が聞きたいですよ、本当に。
男女が会うという表現はいろんな言い方がある。
「林間学校」という季語に対して、「逢い引き」は最もそぐわない言葉を選んじゃったというところに1番大きな敗因がある。
引率した先生のことかと思った。
小学生?よく小学生で「逢い引き」って言うよね。
(添削後)結果論、季語しか残りませんでした。
◆今回の夏井先生振り返り
子どもであるということを保証する言葉を探したのは苦労したね。
「エスケープ」という言葉があるじゃないか、って気づいて、なんとかなりそうとホッとしました。
季語盛りだくさんの駄作をよくぞここまで直した部門
「高橋ひとみ」15点(才能なし)
秋刀魚かな
鰯もいいな
はよ帰ろ
◆夏井先生の添削後
秋刀魚か鰯か
我が決断の
秋の暮
◆夏井先生の添削(抜粋)
いやぁ久々にどうしていいのかわからないものに出会いました。
季重なりを解消させる方法は、2つあったらどっちか1個取るというのがシンプルな方法。
今回はあえてどっちも入れたい場合、どっちかを主役の季語、どっちかを脇役の季語にする。
(添削後)「秋の暮」という伝統的な季語を主役にし、「秋刀魚」と「鰯」が脇役。
◆今回の夏井先生振り返り
2つの季語を脇役にする方法があればいいかなって、「秋の暮」の季語を思いついた時になんとかなるかもしれないと思いました。
「これはよく頑張った私」っていう感じですね。
空想だけの駄作をよくぞここまで直した部門
「江上敬子(ニッチェ)」25点(才能なし)
光差し
スープにこぼれる
銀杏柄
◆夏井先生の添削後
銀杏黄葉の
ひかりこぼるる
スープかな
◆夏井先生の添削(抜粋)
冷静に考えておかしいでしょうよ。
銀杏の実がスープの皿にくっきりと映りますか?
これはもう空想だけでやっている。
◆今回の夏井先生振り返り
あの原句から比べたらすごいキレイな句になりましたよね。
ちょっとキレイにし過ぎたかもしれないけど、そういうことで印象に残った句です。
言葉のムダ遣いだらけの駄作をよくぞここまで直した部門
「博多華丸」30点(才能なし)
初運転
梅雨の花道
晴れ舞台
◆夏井先生の添削後
初めての
ハンドル握る
梅雨の朝
◆夏井先生の添削(抜粋)
「初運転」という情報と「梅雨」という季語以外、単に言葉を飾ってみただけ。
この句にとって必要な情報は何一つありません。
(添削後)「花道」とか「晴れ舞台」とか言葉の無駄遣いの最たるもの。
◆今回の夏井先生振り返り
これも困ったんだよ。
「花道」と「晴れ舞台」をやっつけてホッとした。
自分の作品の時はいい言葉を見つけたら「ヤッホー」と思うんだけど、添削の時はホッとするの。
そんなことを1000句以上やってきたというのは自分を褒めてやりたい。
夏井先生の怒りが収まらない駄作俳句アワード
①「戸次重幸」35点(才能なし)
昼に徳
カツに寄り添う
桜漬け
◆夏井先生の添削後
昼に得
カツに寄り添う
花菜漬け
◆夏井先生の添削(抜粋)
(「徳」は「得」の誤字と発覚)
「カツに寄り添う」を消したいが消す気力もない。
「花菜」という漬物があるので、こうすると定食屋さんの光景にはなる。
②「生見愛瑠」5点(才能なし)
レジ横は
春夏秋冬
ホットけない
◆夏井先生の添削後
秋ことに
レジ横賞品に
迷う
◆夏井先生の添削(抜粋)
よくこんなもん出す勇気があったよね。
季語に対する尊敬の念がかけらもない。
季語ならどれでもいいと言っているのに等しい。
(前回2位だった)マグレでしょ!
2択クイズ どっちが才能アリの俳句?
AとBのどちらが「才能アリ」?
問題① 柳ゆり菜vsパンサー尾形
A:柳ゆり菜
茂りから
顔出し落ちる
白い糸
B:パンサー尾形
チャイム鳴り
駆け出す子らに
春一番
A:タカ、トシ(パンサー尾形ですからあいつが才能あるわけない。大声出す才能しかない!)
B:梅沢、こじるり(情景が思い浮かぶ)
正解:B「パンサー尾形」
「チャイム」という音、「駆け出す子らに」という人物と行動、「春一番」という季語。
基本をしっかり押さえた句。
◆柳ゆり菜の句を夏井先生が添削
万緑の
中より白き
水の糸
問題② 熊谷真実vs霜降り・粗品
A:熊谷真実
長瀞に
滑る小舟の
氷飛沫
B:霜降り・粗品
夕立や
形見の背広
濡らすかえ
A:トシ(「濡らすかえ」なんてゴリゴリの関西弁。それはちょっと違うんじゃないかな)
B:梅沢、こじるり(Bはこれを詠んでいる人の気持ちを強く感じる。)、タカ(Aは状況が浮かばなかった。Bの粗品のは「形見の背広」にジーンときちゃった。こんな短い言葉に大事な形見の背広を濡らしたくないという思いがちょっとショートムービーを見ている感じがした。)
正解:B「霜降り・粗品」
◆熊谷真実の句を夏井先生が添削
長瀞の夏よ
氷のごと飛沫
問題③ 千原ジュニアvs千原ジュニア
A:千原ジュニア①
大仏が
見ているつつじを
僕見てる
B:千原ジュニア②
滝を見て
蛇口閉めたか
考える
A:梅沢、タカ(1番わかりやすいのはBに季語がない。「滝」が季語ですか?すみませんでした。)
B:こじるり(Bは発想がポンと飛んで家に意識がいってる。そこが才能あるのかと思った。)、トシ(Bは生活感が出ている。それと景色を合わせてジュニアさんの才能がほどばしる作品。)
正解:A「千原ジュニア①」
◆千原ジュニア②の句を夏井先生が添削
滝は天の
蛇口の如く
迸る
◆夏井先生の添削(抜粋)
ここまでナンセンスを極めるっていうのもひとつの芸術かもしれませんけど、ただこれはナンセンスが芸術にはなってないですね。
蛇口閉めたか考えるって、さっさと帰って確かめろって言いたいですよね。
2択クイズの結果
- 梅沢:3(全問正解)
- こじるり:2
- タカ:2
- トシ:0
梅沢さん素晴らしい!
以前のクイズの時はそこそこ間違えていましたよね?
おめでとうございます!
◆◇◆ ◆◇◆
最後はジュニアさんの懐かしい俳句でした。
かつては夏井先生に「信用ならない」と何度も言われて、特待生になかなか昇格できなかったジュニアさん。
今では名人になり、タイトル戦まで制しましたよね。
まさに成長を見ている感があって楽しいです。
これでキスマイの二階堂さんがあがってきたら、めちゃくちゃ面白いんだけどなぁ。
次回のプレバトは正月SPで冬麗戦かと思ったのですが、1月7日が通常回で、1月14日がSPだそうです。
スプレーアートに光宗薫さんが登場するので、めちゃくちゃ楽しみです!
冬麗戦は1月下旬ってことでしょうかね?
▽夏井先生の選んだベスト俳句の回もどうぞ▽
『プレバト!!』6月25日 ベスト1俳句はどれ?夏井先生が選んだ歴代俳句ベスト50 - 今日も暇です。