2020年8月6日放送の『プレバト才能ランキング』は俳句のタイトル戦でした。
第4回「夏の炎帝戦」の決勝戦です。
2021年の炎帝戦はこちらです。
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前回の予選の結果はこちらです。
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予選で5名が勝ち上がり、本選では10名で戦います。
今年の夏を制する俳句を詠むのはどなたなのでしょうか?
ワクワクします♪
俳句「炎帝戦」の決勝ランキング
◆俳句の予選のお題:ポイントカード
◆決勝参加者
- 永世名人 梅沢富美男さん
- 名人10段 東国原英夫さん
- 名人10段 藤本敏史さん(FUJIWARA)
- 名人10段 村上健志さん(フルーツポンチ)
- 名人4段 中田喜子さん
- 名人3段 立川志らくさん
- 名人2段 千賀健永さん(Kis-My-Ft2)
- 名人初段 千原ジュニア
- 特待生1級 三遊亭円楽
- 特待生2級 岩永徹也
◆俳句の先生 夏井いつき先生
最下位10位「千賀健永(Kis-My-Ft2)」(特待生1級)
ラジオ体操
歯抜けの判や
夏深し
(小学生の頃ラジオ体操に行っていたが朝が弱かった。夏休みの後半になると休んでしまい、欠席はスタンプが押してもらえない。当時乳歯で歯がまだ無い時で、スタンプが歯抜けっぽいな、という句)
◆夏井先生の添削後
ラジオ体操
歯抜けの判や
夏休み
ラジオ体操
歯抜けの判や
秋暑し
ラジオ体操
歯抜けの判や
朝暑し
◆夏井先生の添削
「ラジオ体操 歯抜けの判や」で言いたいことは言えている。
季語の展開によっていくらでも変わっていく。
「夏深し」が適切か。
俳句は陰暦を使う。陰暦の秋は8月8日前後。その頃はラジオ体操真っ最中の時期。
「歯抜けの判や」は夏休みが終わる頃に思える。スタンプが並んでいないと歯抜けとは言いづらい。
そのため季語の選び方が中途半端。
◆◇◆ ◆◇◆
千賀さんのタイトル戦最下位は4度めとのこと。
浜ちゃんから「常連やないか!」とツッコまれてました(笑)。
今回も残念ながら三振でした。ホームラン待ってます!
9位「岩永徹也」(特待生2級)
花は葉に
彼女は妻に
そして母に
(季語は「花は葉に」。ポイントカードは日常の小さな積み重ねの変化。付き合っている彼女が妻、母へと変わっていく様子を詠んだ、という句)
◆夏井先生の添削後
花は葉に
彼女は匂はしき
妻に
花は葉に
彼女は母として
生きる
◆夏井先生の添削
こういう季語を使ってくださっているというのがいい。
この季語「花は葉に」は難しい。桜が葉桜になっていくという時間経過を持っている季語。
時間経過に倒して、女性の姿を描こうとしたのは良い。
ただ人生を早送りし過ぎ。
「妻」だけか「母」だけにすればいい。妻であれば、どんな妻かを添える。
母にしたければ、「母として生きる」などやりようはいくらでもある。
8位「中田喜子」(名人4段)
早桃の香
支援の客の
食事券
(自粛中に飲食店のオーナーが考えたのがネットで食事券を先に売ってお店を持たせようというニュースがあった。自粛期間が明けて食事券を持って常連客が食事しに来た。その時のデザートに桃が乗っているという光景を詠んだ句)
◆夏井先生の添削後
デザートは
早桃支援の
食事券
◆夏井先生の添削
もったいないのは「客」。
「支援の食事券」で十二分。客以外のものが持ってこない。
「早桃」は「香」がなくても香りが立ってくる。
果物を買ったのではなく、食事券と分かるような小細工をするといい。
美味しくいただいた食事の最後が早桃だったとなる。
7位「千原ジュニア」(名人初段)
消しゴムに
彫刻刀の
彫る花火
(今まで誰もやったことないことはないかと考えた。『プレバト』のことを『プレバト』の俳句で詠むということ。消しゴムはんこに着想。花火大会があちこちで中止になってそれを詠めたら、という句)
◆夏井先生の添削後
添削なし
◆夏井先生の添削
素材としては面白い。
「彫刻刀」に「彫る」は当たり前だが、意図的にしている。
最後の「花火」も消しゴムを彫って花火になるという展開も良い。
問題は「花火」が版画であることの季語の力の問題。
作者のやろうとしていることはやれているので、手直しはしない。
6位「東国原英夫」(名人10段)
ポイントで
もらひし蛍
なほいきる
(デパートのポイントで蛍がもらえた。ポイントは疑似貨幣のため生き物と交換することに抵抗があった。蛍がすぐ死んじゃうだろうなと思った。しかし意外と長生き。光らなくてもなお生きていた。小さい生命力に感動した、という句)
◆夏井先生の添削後
ポイントで
もらつた蛍
なほいきる
◆夏井先生の添削
この発想もとても良い!
私は好きか嫌いかといわれると、とても好きな句。
ご本人が言っていた通り、「ポイントで」の「で」が気になる。
でもこの「で」は外しにくい。ポイントでもってもらううとなるため。難しい。
そうなると、この説明臭さを上手く薄める一手が最後残っている。
それが「もらひし」の「し」。ここが文語になっているから、なおさら説明臭く感じてしまう。
ここを話し言葉で書く。
「もらった」にする。ここを歴史的仮名遣いで「つ」と大きくすると、話し言葉だが奥行きがある空気を醸し出す。
村上さんと東さんの句はちょっと触れば、断トツ1位になる可能性を秘めている。
5位「村上健志(フルーツポンチ)」(名人10段)
蛾の骸
ポイントカードで
掬いけり
(死んでいるけど生きているみたいに綺麗な蛾の死骸があり、捨てないといけないがティッシュで握ると蛾の感触もあり、嫌だなというときにあまり使っていないポイントカードで掬って乗っけて捨てる。日常にある死をこんなリアリズムで描けますか?)
◆夏井先生の添削後
蛾の骸
掬う
ポイントカードの端(は)
◆夏井先生の添削
これは目の付け所がさすがです!
パッと見た時に「これが1位!」だと。
問題点は中七をあえて中八にしていること。下五の「けり」の詠嘆がどこまで効いているのか。この2点。
「で」を解消することで「けり」も解消できる。
蛾の骸をとっとと掬ってしまい、ポイントカードの端を「は」と読ませる。
これをやっていたら、今日はこれが断トツ1位だった!
◆◇◆ ◆◇◆
1番最初に発表されたのが5位。
そして、大本命の1人フルポン村上さん。
名前を呼んだあと、浜ちゃんが「今日は番狂わせかもわからん」というようなことをつぶやいてました。さすが浜ちゃん、当たってます!
4位「梅沢富美男」(永世名人)
行合の空の
御朱印めぐりかな
(季語がない。御朱印もらうのもポイントカードみたいなものだ。季語をどうしようか。「行合の空」は夏から秋に移る頃の空。季節がはっきり出てくる言葉。これ季語でいけるぞ、という句)
◆夏井先生の添削後
添削なし
◆夏井先生の添削
「行合の空」をどう評価するのかが大きなポイント。
後半は「御朱印めぐりかな」ときっちり言葉が入っている。
歳時記の季語としては載っていない。あえてやろうとするチャレンジ精神には敬意を表したい。
ただ村上さんや東さんのように1位になる可能性があるのか、と言われれば、大体このあたりの順位で終わる。
(全国の子供たちが泣いていると吠える梅沢さんに)泣いても事実は事実。残念でした!
これだけ言葉が入っているので、直さなくてもいい。
(何か直せと叫ぶ梅沢さんに)直しても4位!直さなくても4位!
◆◇◆ ◆◇◆
さすが梅沢vs夏井先生!
絶対夏井先生に勝てないのがいいんですよね(笑)。
ある意味『プレバト』の華です♪
3位「三遊亭円楽」(特待生1級)
サングラス
外して探す
カードかな
(皆さんは平凡だと思うけど、ごく日常の1シーン。自分の体験。老眼で明るいところじゃないと何も見えない。レジでポイントカードと言われて慌てて探す。素直に平凡に見える句を作ってみた、という句)
◆夏井先生の添削後
添削なし
◆夏井先生の添削
難しい言葉は全然使っていない。
非常にあっさりと現場を見事に的確に書いている。そういうタイプの句。
「サングラス」という季語は本来は眩しいからかける。
それをあえて外すという展開。そのうえで季語の本質を逆から表現する。
「カード」は何かと明確にすることもできるが、「かな」と詠嘆にしたことで、飄々とした感じが出ている。
2位「立川志らく」(名人3段)
炎天のミミズ
診察券のシミ
(生と死の比較。診察券のシミがついても一生懸命生きている。炎天の中でミミズは干からびている。その2つの対比を考えた、という句)
◆夏井先生の添削後
添削なし
◆夏井先生の添削
これは句またがりの対句表現。
「炎天」と「ミミズ」は夏の季語。
また生き物はカタカナ表記しない。でもわざとやっている。
干からびて死にかけているに違いない。
ここで関係のないものを取り合わせる。
「生」と「死」は大げさに表現しがち。これはさりげなく「生」と「死」を取り合わせている。
「ミミズ」「シミ」と韻も考えている。
これは本当によくお勉強なさっていて、志らくさんだと分かって嬉しい。
◆◇◆ ◆◇◆
ぎゃーーー!
俳句を見て嫌な予感…と思ったら、やっぱり映像で干からびたミミズが出ちゃいました!(泣)
世の中の生き物の中で、苦手中の苦手がミミズ。
G様と同じくらい苦手(笑)。
個人的には俳句どころではありませんでしたw
1位「藤本敏史(FUJIWARA)」(名人10段)
ラジオ体操
おおおなもみの
ある空地
(千賀くんと一緒で小学生の頃の夏休みのラジオ体操。ハンコを押してもらえる。僕は近所の空地でラジオ体操をした。「おおおなもみ」というひっつき虫。ラジオ体操が終わった後に「おおおなもみ」を投げ合いして引っ付けて遊んだ思い出、という句)
◆夏井先生の添削後
添削なし
◆夏井先生の添削
一見どうってことない句に見えると思う。
「おおおなもみ」がなかなか曲者。
「おなもみ」は歳時記に夏の季語として載っている。「おおおなもみ」を載せている歳時記は少ない。
違いがある。
「おなもみ」は大昔に大陸から日本に侵入した史前帰化植物。
「おなもみ」は今絶滅危惧種。
「おおおなもみ」は幅をきかせている。侵略的外来種ワースト100になっている。
悪ガキたちがラジオ体操をして、「おおおなもみ」を引っ付けてバラまいて、「おなもみ」を絶滅させていたかもしれない。
そういう経緯がこの植物に入っている。
「ある空地」はかつて「おおおなもみ」を投げて遊んでいた、と昔を思い出し突き放した感じが出てくる。
ご本人は偶然だったと思うが、結果論として時代性、空気感がけっこう良いものになっていた。
それが最終的な結論。
◆◇◆ ◆◇◆
3年ぶりの優勝で、しかもその時も炎帝戦を制したと言ってました。
途中で今のフジモンさんに獲って欲しい、という流れがあり、フジモンさんもこの流れで優勝したくないとおっしゃってましたけど、やっぱり優勝はいいですよね。
世間が騒がしい中、久しぶりの大ホームランだったのではないでしょうか。
夏に強いフジモンさん、おめでとうございます!
◆「2020炎帝戦」順位◆
優勝「藤本敏史(FUJIWARA)」(名人10段)
2位「立川志らく」(名人3段)
3位「三遊亭円楽」(特待生1級)
4位「梅沢富美男」(永世名人)
5位「村上健志(フルーツポンチ)」(名人10段)
6位「東国原英夫」(名人10段)
7位「千原ジュニア」(名人初段)
8位「中田喜子」(名人4段)
9位「岩永徹也」(特待生2級)
最下位10位「千賀健永(Kis-My-Ft2)」(特待生1級)
◆◇◆ ◆◇◆
次回のタイトル戦のシード権ボーダーラインは前回同様に4位までとなりました。
金秋戦、なんかすぐやりそうな感じがします(笑)。
いつも9月じゃなかったでしたっけ?
確認をしたら、昨年は10月10日でした。
次回のプレバトは水彩画で、名人特待生の見直しチェックとか。面白そうです。
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