2021年2月18日放送の『プレバト才能ランキング』を見ました。
俳句の「春の春光戦」でした。
今回は、予選のみです。
予選ブロックは前回浜ちゃんが抽選をしてA~Dの4つのグループが決定。
その内のAとBの2つです。
前回の抽選結果
▶『プレバト!!』2月11日「俳句」東大の木瀬哲弥がメッタ切り!春光戦の予選組み合わせ決定 - 今日も暇です。
たぶんどのブロックの中でも、今回のAブロックがある種の決勝戦のようなくらいのメンバーで楽しみです。
プチ決勝みたいな感じ。
個人的には決勝で村上さんの俳句をみたいけど、きっとダメなんでしょうね。残念。
俳句「春光戦」の予選ランキング【A&Bブロック】
◆俳句の予選のお題:ウニの軍艦巻き
◆俳句の先生 夏井いつき先生
◆今回の評価のポイント⇒季語を主役に立てる工夫が出来ているか、工夫がちゃんと機能しているか。これを大きなポイントとした。
◆「春光戦」出場権獲得
- 千原ジュニア(名人2段)
- 横尾渉(Kis-My-Ft2)(名人6段)
- 梅沢富美男(永世名人)
前々回の「金秋戦」で上位3名がシード権獲得
◆出場者
【予選Aブロック】
- 名人10段 藤本敏史(FUJIWARA)
- 名人10段 村上健志(フルーツポンチ)
- 名人2段 千賀健永(Kis-My-Ft2)
- 特待生4級 北山宏光(Kis-My-Ft2)
- 特待生4級 馬場典子
【予選Bブロック】
- 名人5段 中田喜子
- 特待生2級 皆藤愛子
- 特待生3級 篠田麻里子
- 特待生4級 筒井真理子
- 特待生5級 武田鉄矢
にゃん吉のAブロックとBブロックの予想
個人の予想はこうです。
- Aブロック⇒1位フジモン、2位千賀さんか村上さん。
- Bブロック⇒1位中田さん、2位皆藤さん
俳句「春光戦」の予選Aランキング
最下位5位「馬場典子」(特待生4級)
一貫の海胆
縄文と令和を
繋ぐ
(ウニは美味しいと知らないとあまり食べたいと思う見た目じゃない。調べたら縄文時代から食べていた。そういうことを踏まえて食べると令和での思いを時代と時代のワードで繋いだ、という句)
◆夏井先生の添削後
海香る
縄文の海胆
令和の海胆
◆夏井先生の添削
この発想はダイナミックで魅力がある。
いろいろ調べてウニが縄文時代から食べられていた。
その事実をなんとかしようと足掻いた。
そこはすごく共感を持っている。
もったいないのは、「縄文と令和を繋ぐ」の「と」「を」「繋ぐ」。
ここが散文的なのが一点。
一貫で縄文と令和を繋ぐのが、ちょっと難しかったかな。
もうちょっと大きくいきましょう。
(添削後)こうすると時代を繋ぎながら、ウニが春の季語として前に出る。
あなたこの発想素晴らしい!
4位「北山宏光(Kis-My-Ft2)」(特待生4級)
花板に
握らるる雲丹
淋漓たり
(花板はそのお店で1番の板前さん。淋漓は勢いがある溢れる感じ、という句)
◆夏井先生の添削後
雲丹淋漓たり
花板の
あざやかに
◆夏井先生の添削
今北山さんだとわかって、いやこれはよく頑張ったわ。
何がよかったのかというと、「雲丹」に対して「淋漓たり」と終止形で言い切っている。
そこに「花板」という粋な人物を持ってくる。
いい判断。
もったいないのは、「花板に」の助詞。
「握らるる」という動詞の使い方が惜しかった。
これは逆。雲丹から行く。
(添削後)こうするといろんな動作を読者が想像する。
これやっていたら今日は1位だったかも。
3位「千賀健永(Kis-My-Ft2)」(特待生2段)
鈍色(にびいろ)の
漁船ふちどる
春北斗
(雲丹を取っている漁船と海を連想。漁船は結構さびていて年代が経っている。その鈍色の漁船を春北斗が縁取っている。僕たち7人グループなんで北斗七星を使いたかった、という句)
◆夏井先生の添削後
鈍色の
漁船よ
青き春北斗
◆夏井先生の添削
美しい光景を書こうとしている。
この態度、詩人の心に深く共感を持った。
「鈍色の漁船」だけで詩になってくる。
そこに「春北斗」を持ってくるという取り合わせの印象も美しい。
惜しいのが「ふちどる」の一点。ちょっと曖昧。
主役は漁船ではなく「春北斗」。
季語の描写に言葉を換えると、これも1位を狙えた。
季語を主役に立てる配慮があとひとかけらあったら、あなたが勝ち残っていた。
◆◇◆ ◆◇◆
千賀さんは前回のタイトル戦でお母様に怒られたそうです。
「こんなにプレバトさんにお世話になっているのに、最近見ごたえがないから勉強しなさい!」と、めっちゃ怒られたとか。
2位「村上健志(フルーツポンチ)」(名人10段)
海苔篊(ひび)の
等間隔に
暮れかかる
(海苔ひびは海苔の養殖で使われる資材。それが等間隔に暮れようとしている。単純にそれだけのデッサン、という句)
◆夏井先生の添削後
添削なし
◆夏井先生の添削
作者がわかって言いますが、村上さんの力なら無難に置いてきた感がある。
あの兼題写真から「海苔ひび」という養殖をしているところにいく。その発想も良かった。
「海苔ひびの 等間隔に」で広さが表現出来る。
「暮れかかる」で時間経過も表現出来る。
「海苔ひび」をデッサンしようとする配慮はよく分かる。
こういう風景を詠んだ俳句が無い訳ではない。
光景を言葉でデッサン出来るのは、この人の実力だと思います。
1位「藤本敏史(FUJIWARA)」(名人10段)
流星群
いくつか海に
墜ちて海胆
(ウニを見ると変な形。これ元々地球上にあったものじゃないんじゃないか。宇宙からやってきた流れ星。流星群が海に墜ちたのがウニ。、という句)
◆夏井先生の添削後
添削なし
◆夏井先生の添削
よくこんな難しいことをやろうと思ったなと思った。びっくりしている。
季重なりはいろんなタイプ。
「流星」は秋の季語、「海胆」は春の季語。
季節の違う季語を一句に入れてくるのはすごく難しい。
大体の人は比喩に持っていこうとするのだが、「流星群」から始まって物語のファンタジーを紡ぎながら、ちゃんと季語「海胆」を主役にしている。
「墜ちて」は墜落の墜ちる。隕石が墜ちる印象がある。
よく頑張りました。
作者分かって、そうかそういうことかと非常に納得をした。
春光戦【Aブロック】予選ランキング
◆「2021 春光戦」【Aブロック】予選順位◆
1位「藤本敏史(FUJIWARA)」(名人10段)
2位「村上健志(フルーツポンチ)」(名人10段)←補欠
3位「千賀健永(Kis-My-Ft2)」(特待生2段)
4位「北山宏光(Kis-My-Ft2)」(特待生4級)
最下位5位「馬場典子」(特待生4級)
※赤字が予選通過
◆◇◆ ◆◇◆
順位を見れば順当なんですけど、俳句自体がとてもよかったです。
夏井先生もAブロックは激戦だったとおっしゃってました。
千賀さん、またお母様に怒られちゃうかな?w
でもいい俳句でしたし、詩的で素敵だったと思います。
俳句「春光戦」の予選Bランキング
最下位5位「篠田麻里子」(特待生3級)
春の闇
洗う寿司桶
荼毘し祖母
(2年前に亡くなった祖母のお葬式に感じたことを句にした。親戚一同でお寿司をわいわい食べた。寿司桶を洗う時に、何とも言えない感情が湧いてきた、という句)
◆夏井先生の添削後
寿司桶洗う
祖母を荼毘せし
夜の春
◆夏井先生の添削
(梅沢さんがホラーだと言い張る⇒おばあちゃんが出てきて寿司桶を洗っている)
そんなことはないが、10人に1人くらいはおっちゃんのように読む人もいる。
そこを修正すればよい。
寿司桶を洗う手元からいく。
ストーリーは字余りになってもしょうがない。
「寿司桶洗う」とすると、生身の人を思う。
「闇」がホラーっぽいのであれば「夜」にするといい。
あなた、やろうとしていることが絶対良い。
あとは微量の技術を身につけましょう。
4位「武田鉄矢」(特待生5級)
ウニ二貫
お先にどうぞと
古女房
(我々の世代ではウニは高級品。のっけから頼むものではなく締めに頼むもの。女房と一貫ずつ分けようかなと思っているが、こちらの腹は読んでいて、「あなたが先に一貫取りなさいよ」と寿司のカウンターで展開される夫婦の機微みたいなのを詠んだ、という句)
◆夏井先生の添削後
「お先にどうぞ」と女房
分けあふ
海胆二貫
◆夏井先生の添削
映像ではなく、ストーリーを書こうとしている。
この句はとても微笑ましい光景で、これを書きたいと作者が思う気持ちがとても良い。
こうなれば、字余りはストーリーなので仕方がない。
そうしたらセリフから始める。
「古」はいらない。
「お先にどうぞ」である程度古い女房に違いないとわかる。今時の人は黙って先に食べる。
(添削後)最後ちょっと調べを取り戻すだけで、俳句の空気が変わる。
3位「筒井真理子」(特待生4級)
海苔一帖
等間隔に
刻みて春
(軍艦巻きを見ていて、ちらし寿司とかの最後に等間隔に切った海苔が春っぽいな。あえて「海苔」と「春」の季重なりだが海苔を一帖と具体的にして、春で止めて強調して気を使った、という句)
◆夏井先生の添削後
海苔刻む
等間隔の
音や春
◆夏井先生の添削
この句は少し欲張り過ぎた。
季語が2つある。
キーワードも「一帖」と「等間隔」で2つある。
これはどっちかに絞った方がよかった。
音の方が言いたいのであれば、「一帖」は諦める。
音をダメ押しで入れる。
(添削後)これがあなたがやりたかったことと推測する。
2位「中田喜子」(名人5段)
艶めきて
海胆握る指
和ぎのごと
(ウニの握りを頼んだ時、シャリの上にウニを載せた瞬間、その握る姿が海の凪のような穏やかな握り方をする。色気さえ感じた、という句)
◆夏井先生の添削後
和ぎのごと
海胆つややかに
握る指
◆夏井先生の添削
これは季語「ウニ」と真っ向勝負をしている。
意欲があって潔い。
その精神を褒めたい!
握る指を凪のようとはなかなか思いつかない。
これはこのままにしておくかと考えた時、少しさわるところがある。
「艶めきて」は艶めきが動詞。
「握る」も動詞。
この2つの動詞がバッティングするのが惜しい。
アップの指の表情を言いたいはず。
ここは艶めくという動詞ではない方が良い気がする。
そうしたら直したくなった。
(添削後)こうすると指がクローズアップされ、指の動きが凪のように見えてくる。
こうしていたらこれが1位だった。
1位「皆藤愛子」(特待生2級)
休業と手書き
格子戸に春塵
(今街中でよく見る光景。私の大好きなお寿司屋さんが休業していて、張り紙がずっと貼ってあるという状況を詠んだ、という句)
◆夏井先生の添削後
休業とあり
春塵の
格子戸に
◆夏井先生の添削
まさに今の世相を切り取った句。いいと思う。
「休業」から始まり、「春塵」で終わる。
ここに作者なりの工夫が分かる。
これを読んだ時にリズムが多少ギクシャクするなというのが小さな気になるところ。
リズムを考えると、「休業と手書き」よりも季語「春塵」をクローズアップした方が良いのではないか。
おっちゃんは直さないようですが、私は直します。
(添削後)こうすると格子戸にかかっている春の塵、「休業」の張り紙と映像になる。
そうすると季語がハッキリ見える。
春光戦【Bブロック】予選ランキング
◆「2021 春光戦」【Bブロック】予選順位◆
1位「皆藤愛子」(特待生2級)
2位「中田喜子」(名人5段)←補欠
3位「筒井真理子」(特待生4級)
4位「武田鉄矢」(特待生5級)
最下位5位「篠田麻里子」(特待生3級)
※赤字が予選通過
◆◇◆ ◆◇◆
やはりAブロックは強かったですし、俳句がしっかりしていた印象があります。
Bブロックは1位の皆藤さんでも直しが入りましたし。
次回のお題はなんときのたけ戦争がお題です(笑)。
「きのこの山とたけのこの里」です。
面白そう。
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