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『相棒18』第14話・15話「善悪の彼岸」右京のライバル南井との最終決着 衝撃的な結末だった

『相棒18』第14話「善悪の彼岸~ピエタ」と15話「善悪の彼岸~深淵」の感想です。

 

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前後編の2話続きの回でした。
冠城さんの相棒シリーズの宿敵とも言える南井十との最終決着の回です。


いや~前後編を2週に渡ってみましたけど、もう1度一気に見直しをしたいです。


監督は内片輝さん、脚本は徳永富彦さんでした。

 


▽目次です▽

 

南井十という男を完璧に演じた伊武雅刀の圧巻の演技!

南井シリーズの何が面白いかといえば、伊武雅刀さんの演技力です。
飄々としつつも、淡々として、そして内に秘めたる思いが見え隠れする曲者。
だからこそ、右京さんの最大のライバルではないかと思われたわけです。

 

 

正直結末がまさかの展開だったので、「えーそうくる?」と後半の右京さんの推理で驚きましたけど、思い返せばその傾向がちょこちょこ表れているわけです。
その感情や表情を見事に表現した伊武さんが本当に素晴らしかった。

 

 

もう伊武さんの圧巻の演技に、最後の最後が引き込まれましたし、右京さんの情というか憐みというか走馬灯のように思い出されるロンドンでの出来事や日常にもかられ、複雑な思いで抱きしめるところでは涙が出てしまいました。
あの右京さんのなんともいえない表情が切なかった。
その後に崩れ落ちる南井。
息をのむのを忘れてしまうほど見入ってしまいました。

 

 

 

南井という男

正直悪なら徹底的な悪でいて欲しかったというのはあります。
右京さんの推理で、そこは不満に感じたのですが、その後の展開を見ると「なるほど」とものすごく納得できる説得力がありました。
それはすでに話しましたけど、伊武雅刀さんの演技力によるところが大きいのですが、元の話としてもよく出来ていたと思います。

 

 

人間は必ず老いていきます。
そこで自分ではなくなってしまうようなこともあるのかもしれません。
確かにあり得るような話の流れでした。

 

 

南井の転落は、大事な相棒であったカワエを失ってしまったから。
大事な大切な「相棒」だったのだとつくづく思い知らされました。

 

 

右京さんのいうとおり、カワエを死に追いやった犯人を許せず手を下したこと。
これが南井の精神の崩壊でもあったのでしょう。
心と頭と体のバランスが保てなくなり、それが脳への障害へと繋がったのかなと勝手な想像もしてしまいます。

 

 

そんな南井の拠り所が新しい相棒の右京さんだった。
右京さんへの思い、一緒に捜査をして犯人を捕まえたいというのがどこかで歪んで脳の中で記憶されていってしまったのかな。

 

右京さんの南井への思い

今回の事件で右京さんはどのように感じていたのでしょうか。
正義の味方の右京さんなので、当然許しがたい殺人鬼なわけです。
しかも自分の手を汚さない卑劣な手を使った事件を過去に2つも起こしています。

 

 

本来の右京さんであれば、粛々と心の奥底に秘めておくのでしょうけど、南井に関しては感慨深げでした。
冠城さんとのラストでの会話で、「何を裁くのでしょうか」と言う右京さんの言葉は重かったです。
右京さんの大事な相棒だったカイトくん。
その彼を失った時に出会ったのが南井。
その頃の2人は間違いなく相棒だったのではないでしょうか。

 

右京さんと一緒に捜査をするため…

 

これをわかってしまったからこその右京さんの無念さと憐みが南井への抱擁だと気づかされます。
切なかった。
だからこそ彼の幻を追いながら、自ら殺人を犯していくという様に対して、ことさらに無念の気持ちと情が向けられたんだと思います。
右京さんらしくないとも言えますが、それだけ相棒であったということなのではと感じています。

 

 

 

南井は本当に死んだのか

南井が死にたいと思われる場面は途中でも出て来ました。
この時点で自分自身で決着をつけたがっている風ではありましたが、なぜか勇気が持てず。
その狼狽ぶりが南井っぽくなかったのですが、だからこそ老いの部分と脳の障害の部分が表れていたのだと思います。

 

 

その南井は最後、病院から抜け出して谷から飛び降りました。

 

 

それを聞かされた時の右京さんの驚きの顔。
そして、南井が本当に死んだのかと慎重に確認する右京さん。
冠城さんに南井が死んだんだ、ということを告げられた時の右京さんの放心状態。
かなりの戸惑いを見せてました。

 

もしかしたら生きているのでは?

 

右京さんは頭の片隅でそう感じたのかもしれません。
同じように見ている側も少しだけ半信半疑になります。

 

 

現実的には年老いて、認知症の症状もある人間がそんな高さから飛び降りたら生きてはいられないでしょう。
ただ本来の狡猾な南井であれば、そういうこともわけなくできる頭脳を持っているのです。
南井の生死に少しだけ謎が残った余韻が残りました。

 

 

ただ今回の相棒のラストとしては、伊丹刑事と芹沢刑事が出て行った後の南井が呆然と車いすに座っている姿でよかったのではないのかなと思っています。
その方が物語としての余韻が格段に違いますし、南井の最後としては切なさも残ったのではないのかなと感じました。

 

 

やっぱり浅倉のように生きてるのかな?

 

 

今回の相棒

前編を見た時に、マリアが犯人ではないことに少し違和感がありました。
綺麗で美しい女性が犯人であった方がドラマチックではあったのですが、犯人でもなんでもなかった。
この時点から今回の事件は何かおかしいと感じるのです。
後半ではマリアが付き添った理由も明確になり、なるほどと納得。

 


冠城さんが無事でなにより。
最後に事件の真相をしっかりと見極めているところがさすがでした。

 

 

とにかく南井を伊武雅刀さんに起用した相棒チームの英断が素晴らしかったです。
今回の相棒は伊武さんあってこそ!
右京さんとの2人の場面は秀逸でした。

 

 

『相棒』もいつか終わりがくるのでしょうけど、なんとなくそれを意識してしまう回でもありました。
右京さんの宿敵の老いを考えさせる回でしたから。
水谷豊さんにはまだまだ元気で頑張って欲しい。
毎年の右京さんがなくなるのが寂しすぎます。

 

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