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『相棒20』第5話「光射す」親が子を思う愛情と引きこもりの結びつきが秀逸 こういう時の右京さんは優しい そして亀

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『相棒20』第5話「光射す」の感想です。

 

前回の予告で「手のかかる亀」と右京さんがこてまりさんに語る場面が楽しみだった今回ですが、それもいい感じではあったのですがストーリーそのものが素晴らしかったです。


ラスト20分の話の展開からのエンディングまで涙が出てしまいました。
この感動を上手く伝えられるかはわかりませんけど頑張ります。


監督は守下敏行さん、脚本は池上純哉さんでした。


▽目次です▽

 

意外な犯人とストーリー展開

事件はのちほど警備員と判明する男性が首吊り状態で発見されるところから始まります。
暇課長の知り合いの水木刑事。
キーマンとなるのは引きこもりの男性。
しかも破綻もなく、犯人も意外な人物。
それらのいろんな事柄が結びついた物語でした。

 

暇課長の知り合いの水木刑事の娘が行方不明ということから話が始まります。
その後、めちゃくちゃ怪しい男性がゲームをしている場面に繋がり、首吊りの遺体が発見され他殺を疑われる。

 

怒涛の展開ですけど、これらがうまく事件と解決に結びついていくのが今回のストーリーでした。

 

まずはお話の展開として、密室だと思われたのがまさかの合鍵があったことから密室ではなくなるという点。
偶然とはいえこういうことってあるでしょうね。
しかも後々、この女性が第一発見者になるとは気の毒に。
元カノとはいえ、トラウマになりそうな事件遭遇です。

 

そして、怪しい男性は実は引きこもりだということも発覚。
隣から聞こえてくる音や声で、隣人の紅林が犯人であることを知り、それをネットの掲示板にあげていました。
男性には年老いた母親がおり、それが三宅富士子。
年は80歳を超えても工場で働く毎日。
10年以上部屋から出てこない息子を苦々しく思う場面がありました。

 

行方不明の水木刑事の娘は無事救出されましたが、2ヵ月も床下収納で閉じ込められたせいで変わり果ててしまったと父は悟ります。
時間はかかるでしょうけど、どうか自分を取り戻して欲しいと願うばかりです。

 

そんな水木刑事と80歳の母が手を結ぶことになってしまったわけです。

 

複雑になりがちなたくさんの伏線を上手に回収されており、ストーリーも自然で引き込まれていきました。

 

あれだけヨタヨタ歩く年老いた三宅富士子が、全体重を乗っけてくるお嬢さんをおぶって歩くのはちょっと現実的ではないような気もしますけど、右京さんが言うようにそれが出来てしまったのでしょう。
それだけ子を思う親の気持ちが勝るということだと思いました。
火事場の馬鹿力ではないでしょうけど、人間必死な時に普段では出ない力が出ることがありますから。

 

 

 

母と父のそれぞれの子を想う愛情

今回秀逸に感じたのは、ストーリーにブレがなかったことにつきると思います。

 

娘を大ゲンカをした日の夜に行方不明となった水木刑事。
その後悔も含めて尋常ではない思いだったと察します。
大事な娘をなんとか探し当てたいという思いから、ネットで情報を集めたのが刑事を辞めることにまで発展。
結果としては事件に絡んでしまっていたので、警察を辞めることにはなってしまっていたでしょうけど。
この展開上では仕方がないですけど、なんとしてでも娘を救い出したいという気持ちが痛いほど伝わりましたので、できれば犯人側ではいて欲しくなかったかな。

 

引きこもりの息子をなんとかしたいと願っていた母。
「自分が悪いはないか」という自責の念が三宅富士子を長年苦しめてました。
息子に対して憎々しく思う言葉が出る半面、それ以上の愛情を母から感じることができました。
それが水木刑事を諭したす富士子の言葉です。
母の魂の叫びでした。
この言葉が引きこもりの息子の心を動かしたのは間違いありません。

 

ラストに息子の卓司がようやく外に出ることが出来ましたが、富士子は突き放すように警察の車に乗り込み車を出すように指示します。
ここに富士子の悲しさと嬉しさと悔しさがあったのかもしれません。
ただただ情けなく思ったのかもしれませんけど、それは当事者ではないとわからない重い問題だとも感じました。
そのあたりの草村礼子さんの演技は素晴らしかったです。

 

右京さんが最後に卓司に声をかけますが、それが「穏やかでいい天気ですよ」でした。
余計な説教などせず、この何気ない会話が右京さんなりの思いやりなのだと感じます。

 

今回の相棒

決してハッピーエンドな結末ではありませんでしたが、紅林は本当に自殺だったという点で、誰かが殺人を犯したという結末ではなかったのがよかったです。
それと引きこもりの息子が今後どうなるのかはわかりませんが、少しでも一歩社会に近づけていたらいいなと願います。

 

そして小ネタになりますけど、紅林が飼っていた亀が右京さんを床下収納へと導きましたね。
その亀はこてまりさんが飼うことになりましたが、そこで「昔手のかかる亀を飼っていた」の右京さんの発言が出てきました。
以前に亀が特命係に来た時の亀のことでもあるでしょうし、なんといっても初代相棒の亀山さん!
相棒ファンとしては、後者の薫ちゃんを思い浮かべたことでしょう。
予告からワクワクしたくらいですし(笑)。

 

前回は少し肩透かしにあった回でしたので、今回は本当によかったです。
前シーズンの『相棒19』の16話以来の感動作でした。

『相棒19』第16話「人生ゲーム」そこに愛はあったという感動回 右京さんが優しく包み込んでくれていた - 今日も暇です。


今回のお話は久しぶりに相棒で泣けました。

 

▽前回の相棒もどうぞ▽

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