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『相棒20』第9話「生まれ変わった男」生まれ変わりから右京さんが見事に真実を導く 驚きの着地点

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『相棒20』第9話「生まれ変わった男」の感想です。

 

今回の脚本を担当する川﨑龍太さんは初相棒でした。
どんなストーリーになるのかと思ってましたし、何よりもキーワードは「生まれ変わり」。
事件解決と展開と落としどころをどうしていくのかも合わせて、とてもよかったと思います。


もう少し掘り下げた感じでも見たかったように思います。
1時間では足りないかなというのもありました。


監督は蔵方政俊さん、脚本は川﨑龍太さんでした。
蔵方さんも初監督ということで、『相棒』初コンビの回です。


▽目次です▽

 

「生まれ変わり」はあるわけないと思うのだが…からの展開が良かった

今回の事件のテーマは「生まれ変わり」です。

 

20年前の事件で殺された男の生まれ変わりだという大学生が出現。
それが吉岡翼くんでした。

 

オカルト系でも心霊系でも、右京さんは頭ごなしに「そんなことはあるわけない」とは決して言わないタイプ。
むしろ可能性はゼロではないのではないか、とこの手の事件では興味を示します。
たまに心霊現象っぽく幕を閉じる回もありますし。

 

ですが、これまでもほとんどのケースでオカルト系で終えた事件はほとんどありません。
強いてあげるとすれば、すぐ思い浮かぶのは『相棒11』の第18話「BIRTHDAY」でしょうか。
賛否はあるでしょうけど、名作だったと思います。
大泣きした記憶が蘇えります。

 

ただこの手のオチにするにはそれ相当の納得がいくストーリー展開が必要ですので、本当に「生まれ変わり」というオチは厳しいのではないかと思って視聴してました。
たぶん観ていた方はみんな同じ気持ちでしょう。

 

非常に面白い展開に持っていってました。
とても良かったと思います。

 

 

 

謎の回収がよかった

観ている側としては、そんなバカなと思う入り口なのですが、その方向性が良く見えず、ラストで1つずつ明らかにされていくことで、納得をすることができました。
何よりもストーリー展開が非常にわかりやすい!

 

最近の相棒は凝った設定が多く、登場人物やら事件背景やらを把握するのも大変ですけど、今回のお話はすごくシンプルなんですよね。
そこも好感を持てました。

 

観ていて怪しいと思うことは前半でいくつか出てきますが、それがどう繋がるのかがわからず。

  1. 吉岡翼くんが生まれ変わりではないにしても、どうして事件を知っているのか。
  2. 翼くんのお母さんが「タイヨウ」という名に反応を示したのはなぜ?
  3. 現在のスーパーの店長さんが怪しいけど、20年前だと子ども?
  4. だったら、当時のスーパーの店長さんが怪しいかも?
  5. 吉岡家ではなぜ親戚づきあいをせず、隠し事をしているのか?

 

このあたりの謎がきちんと一本の線で繋がっていくのは見事だったと思います。

 

犯人はやっぱりとは思うけどそれぞれ動機が…

ただちょっと残念に感じたのが、20年前の事件の犯人と、翼くんを刺した犯人です。
犯人はいいとして、動機があまりにもヒドイ。
そんなことでナイフで人を刺すなんて…。

 

現実にも逆上型の人はいるのであり得なくはないのでしょうけど、刃物は危ないという認識をもっとみんな持とうよ、という感じでした。

 

特に翼くんを刺した奥さん。
短絡すぎませんかね?
人の心を弄んでと怒る気持ちまでは理解できますけど、突然目の前にナイフがあるからって刺します?
ちょっと怖いです。
おそらくそこに至るまでの奥さんの気持ちの追い詰められたところがあるのでしょうけど、1時間の枠では厳しかったです。
「なんでそこで刺すの?」としか思えませんでした。

 

ただここでの場面の救いは、翼くんの優しい思いやりですね。
それで一視聴者である私も救われました。

 

元の事件の犯人も怪しいと思った現在の店長は当時中学生だったとのこと。
たまたまナイフを見せようとしただけなのに、運悪く関田さんがやってきてしまいます。
ナイフと咎められて逆上して刺す。
しかもためらうことなく2度。
これは非常に後味が悪い。

 

短絡的な少年も多いでしょうけど、思わず刺したのが一度ならともかく、二度というのは死んでもらわないと困るという強い意志ですよね。
その後ドラマでは出ていませんが、きっと八神自身も苦しんだのでしょうけど、非常にモヤモヤしました。

 

物語全体は良かったのですが、犯行に至る部分がちょっと雑というか、安易という感じも否めなかったです。

 

やっぱり1時間でおさめるというのには少し厳しかったのかもしれません。

 

ただ破綻はしてませんのでそこは良かったと思います。

 

今回の相棒

お話の展開としては良い落としどころだったと思います。
それをきちんと全て線に繋げた右京さんはさすがでした!

 

「タイヨウ」という子どもがいたのではないか、それが翼くんであることはなんとなく想像は付くのですが、それがイコールになるための展開が無戸籍児だったという。
でもちゃんと吉岡夫妻の本当のお子さんであってよかったです。
気持ちとしてはちゃんと埋めたつもりでも、死体遺棄には変わらない本当の翼くんが可哀想でした。

 

そして、ずっと自分のアイデンティティに悩んでいた太陽くん。
ラストは前向きでこれからを一生懸命生きていく、というのがすごく良かったです。
いろいろ大変なんでしょうけど、本来の自分を取り戻せたわけですから、負けずに頑張って生きていって欲しいと願わずにはいられません。
亡くなった翼くんもお墓を作ってあげられますよね、きっと。

 

川﨑龍太さんの次回作も期待したいです。
こういう人間ドラマな相棒も好きです。

 

土師太さんが久しぶりに登場です。
青木くんは親知らずを抜くために休んでいたという設定(笑)。
浅利さん、多忙なんですかね?

 

土師さんが観れて嬉しい回でした。
青木くんへのライバル心も相変わらずでした。

 

今回の相棒のお気に入りは冠城さんが「右京さんはシャーロック・ホームズの生まれ変わりですね」の部分です。
架空の人物だと指摘されてましたけど、右京さんは和製ホームズですからね。
こういうやり取りが好きです。


暇課長の右京さんのモノマネも最高でした。

 

▽前回の相棒もどうぞ▽

『相棒20』第8話「操り人形」右京さんが導く切なくて悲しいバッドエンド せめて楽しい日々が過去にも未来にもあると信じたい結末 - 今日も暇です。