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『相棒20』第8話「操り人形」右京さんが導く切なくて悲しいバッドエンド せめて楽しい日々が過去にも未来にもあると信じたい結末

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『相棒20』第8話「操り人形」の感想です。

 

今回の脚本が瀧本智行さんということで予告の段階からとても楽しみにしていました。
やはりいい!
『相棒19』の第6話「三文芝居」で初脚本でしたけど、全部秀逸ですね。
今回もすごくよかったです。


監督は守下敏行さん、脚本は瀧本智行さんでした。


▽目次です▽

 

 

下条アトムと白川和子が秀逸!

今回のストーリーはわかりやすかったですし、犯人にそこまでの意外性はなくてもあまりにもドラマチックな展開でした。
それも悪い方にドラマチックという。

 

ラストに右京さんが48年前に殺された岡田の亡霊らしき姿を目にしていましたが、彼の怨念、あるいは執念がこの結末を導いたのでしょうか。
もはやそっとしておいてあげて欲しい、というような悲しい展開でした。
48年前の事件なのですでに時効となってはおりますが、何も今明るみに出なくてもいいのに、と思ったほど。

 

その切ない展開を彩ったのが、下条アトムさんと白川和子さんの名演技でした。

 

二人の醸し出す雰囲気が長い年月を共にした友人であり、きっと心の中では想い合っていたに違いないという独特な関係性を上手に伝えてくれていました。
48年前にあんなことがなければ、藤島さんと美鈴さんは結ばれていたのかもしれません。
少なくても、藤島さんは美鈴さんを好きだったのでしょう。

 

美鈴さんが「藤島くん」、藤島さんが「美鈴ちゃん」といまだに呼び合っているからこそ、余計に悲しくなりました。
美鈴さんが藤島さんを心配して思わず抱きしめるところもグッときました。
二人の間の大事な繋がりというのをこの場面だけで十分伝わります。

 

本当に素晴らしかった!

 

人形劇団を畳んで、これからの二人はどう生きていくのか気になります。
今度こそ寄り添い合って生きて欲しいのですけど。
自分たちの大事な人が死んでしまった事実もありますし、48年前の殺人もあります。
美鈴さんの息子さんの件もあります。
どうか乗り越えて欲しいと願わずにはいられません。

 

 

 

あまりにも悲しすぎる過去 そしてバッドエンド

今回の事件は右京さんが亡霊の仕業ではないか、という雰囲気の中で始まります。
右京さんって霊感があるのかどうかはわかりませんけど、こういうオカルト的な体験をちょくちょく経験されるお方。
この「操り人形」でも亡霊がキッカケとなり、事件解決に結びつきました。

 

その亡霊がこれまたヒドイ人物…。
当時は学生運動のカリスマ性のある岡田だったわけですけど、裏の顔として女好きという一面がありました。
モテていたでしょうに、それだけでは飽き足らず手籠めにするという暴挙にも出ていたわけです。

 

その最後の被害者となってしまったのが美鈴さん。

 

それまでは人形劇に情熱を注いで楽しい毎日でしたでしょうに、これが美鈴さんや藤島さん、梶原さんの運命を大きく変えてしまいました。
負の連鎖が止まらないとはこのことでしょう。

 

その一つが健太さんの誕生でした。
たった一度の無理やりの行為の末に子どもを身籠ってしまうという残酷さ。
美鈴さんはそれでも大事な命を守ろうと産む決意をされました。

 

父親代わりとなったのは、藤島さんと梶原さん。
2人の父の見守る中、立派に育てばよかったのですが、健太さんはグレて挙句の果てには2度の刑務所行き。
岡田のDNAが生きたのか、詐欺罪で捕まってましたね。
弁がたったからなのかもしれません。

 

最悪なことに、健太さんは梶原さんを殺してしまうという結末。
あれだけお世話になった人でしたが、正当防衛とはいえ石をぶつけたのが原因ですから。

 

長年の友人であった梶原さんが亡くなり、劇団も閉める。
息子は正当防衛とはいえ、人を殺めてしまった。
その発端は思い出したくもない48年前の岡田の存在と死。

 

健太さんを救おうと運転手に雇ったものの、岡田に見えてしまうというのも悲しい皮肉でした。
白骨さえ出なければ、こんなことにはならなかったのでしょうね。
全ての元凶にして、最強な感じが非常に後味が悪いです。

 

ですが、右京さんにしてみれば、人を殺して死体遺棄をしているわけですから、見逃せるわけにはいきません。
右京さんは正しいのです。

 

そして、すごく人間ドラマが描かれているので納得。
だからこそ感情移入がされて心が揺さぶられたのでしょうね。

 

悲しくて切なくてバッドエンドなのですが、いい回でした。

 

次回もオカルトっぽい内容?

次回の相棒ですけど、今度は「生まれ変わり」がテーマっぽいですね。
「んなバカな」という感じですけど、右京さんがそれをどう解決していくのでしょうか。

 

今回のように亡霊が事件を導くという展開もあるので、本当に「生まれ変わり」だったとしたらどういう落としどころになるのかは興味があります。
また思い込み系とか暗示系とかでもどうなるのか気になります。

 

脚本の川﨑龍太さんは『相棒』初登場とのこと。
瀧本智行さんのように素敵な脚本だといいなと楽しみにしています。
予告を見る限りには面白そうです。

 


▽前回の瀧本智行さんの『相棒』もどうぞ▽

『相棒19』第16話「人生ゲーム」そこに愛はあったという感動回 右京さんが優しく包み込んでくれていた - 今日も暇です。

 

『相棒19』第6話「三文芝居」一世一代の大芝居を右京さんが見破る回 いろいろ悲しい背景だった… - 今日も暇です。