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『相棒17』第4話「バクハン」正義の味方の杉下右京VS角田課長 シャブ山シャブ子

『相棒17』第4話「バクハン」 の感想です。
先週の予告から放送を楽しみに待っていた回です。

  

今回は期待以上に素晴らしい回でした。
考えさせられる部分もあり、杉下右京の確固たる正義を見ることもできました。
冠城亘の相棒ぶりもよかった。


監督は橋本一さん、脚本は真野勝成さんでした。

 

▽目次です▽

 

杉下右京は正義の味方

杉下右京はいつも正しいです。
今回冠城さんが右京さんを「正義の味方」だという場面がありました。


そうなんです。
杉下右京は正義の味方なのです。


ですが、仮面ライダーやウルトラマンのような勧善懲悪をバッサバッサと倒していく正義の味方ではありません。
現実の正義の味方になります。
そこに『相棒』の真髄があるんですね。
右京さんは犯罪を犯すものには容赦ありません。
当然なのですが、ドラマの中にには犯罪に至ってしまう人間模様もあります。


人間は感情の生き物なので、どうしても同情したり、感情移入をしてしまうことがありますが、右京さんは決して流されることはないのです。
だから正義の味方であり続けるのです。


今回の話も右京さんらしく正義を貫いていくので、右京さんが冷徹に思えてしまうところまで行きました。
やはり暇課長の気持ちに寄り添ってしまうわけです。
でも、悪を利用しての正義は決して成り立たないという右京さんの主張が、クライマックスで悟ることができます。


結局犠牲者が出てしまうんですね。
こういうことになるくらいであれば、最初から悪と手を打つべきではないという証明ができたわけです。


今回はそういう場面までしっかりと見せてくれたので、後味が悪くなく終えたのがよかった!
正義の味方の右京さんにも感情はありますからね。


角田課長とのラストシーンはよかったです。
そういう日が来ないことを右京さんは絶対願っているはずなので。
でもそういうことを言葉にも表情にも見せないのが右京さん。

 

相棒として大活躍だった冠城亘は歴代2位

今回の冠城さんは終わってみれば、右京さんの右腕として最高の仕事をしたわけです。
右京さんもそこを見越していたところがあり、会話からも受け取れました。


これでこそ相棒!


内村刑事部長から、冠城さんが歴代2位の長さで右京さんの相棒を務めていることを話してました。
そっか。。。
もうそんなになるんですね。神戸さんも超えちゃったか。
亀山薫さんも、神戸尊さんも、甲斐享さんもそれぞれにいい相棒でしたよね。
なんか感慨深いです。


そんな冠城さんですけど、掴みどころのない神戸さんというイメージでしたけど、それがしっくりいっている気がします。
ちょっと何を考えているのかいまだにわからない部分があるというのも、ミステリアスさがあっていいと思ってます。


今回は最初の捕物から先回りをして大活躍!
切れ者である部分を明確にし、途中の角田課長派につくのも先を見越してのこと。
こういう頭脳プレイの連携ができるのも杉下ー冠城のコンビならではです。


「組織には組織の判断がある」と鋭い眼光で右京さんに訴える冠城さんからは、今思えばものすごいメッセージだったわけで、右京さんにもそれが通じていたのです。
いいですねー!これこそが相棒!!
でも、目一杯周りを敵に回している右京さんにちょっと呆れている感じもよかった。


私は騙されましたけど(笑)。
脚本の上手さに踊らされた視聴者です。


源馬課長に組対四課へ誘われた時、右京さんにあっさり「構わないですよ」と言われてうろたえるところは、関係性が出ていて面白いです。
右京さんは誰に対してもそう言うんですけどね。


しかし、杉下ー冠城コンビって大事な話をする時、どうしてカメラに向かっての目線で話をするんですかね。
その構図が微妙に面白いのです。

 

源馬課長の裏の顔

悪を取り締まるための必要悪を利用している源馬課長。
そのやり口を見ていると、なるほどああやって大金を得て協力者を得ているわけなんですね。
なんだか見てはいけない裏の顔すぎました。
警察があんなに大金を持って捜査するというのも疑問ですし、ましてやそのお金は闇のお金なわけです。


和気健也とのいきさつやその後のつきあいには共感できる部分はあるのですが、結果として死に追い詰めてしまうという点がよくなかった。
右京さんの言うとおりなんです。


とは言いつつも、脚本が上手なのですっかり肩入れして見てました(笑)。
素直に見て感じるからこそ訴えかけてくるものがありますからね!


源馬課長を演じた中野英雄さんは完全にそっち系(ヤ○ザ)の人に見える迫力でした。

 

いつもは暇そうな角田課長の本気と惜しまれる大木刑事の不在

いつも明るくて優しい角田課長の仕事に対する本気が出ている回でした。
源馬課長とのやり取りでは、声も一段トーンが低めで事件の大変さを表現されていて、緊迫した状況が伝わりました。


しかも、右京さんに対してもイライラした気持ちをぶつけるのも珍しい。
「はみ出し者で嫌われ者」と右京さんに言う角田課長。
こういう言葉ってどこかにそう思っていないと出てこないんですけど、角田課長は右京さんをそういう風に見ていたのかなと思うと悲しかったです。


でも、最後に角田課長が右京さんに本音を言うところは心に響きます。
そして「最後まで付き合え」というところ。
右京さんもそれを受けと止めて静かに「わかりました」と答える。
ここに大人ならではの解決法が見てとれるわけです。
そして、それを見守る冠城さん。
無音で静かに終わるこの場面は余韻たっぷりで、グッとくるなぁ。


こういう組対五課が活躍する回に、大木刑事がいないことがつくづく悔やまれます。
あと数話だっただけに相棒ファンも同じ気持ちだったのではないでしょうか。
大木刑事だったら今回の事件の時、どう角田課長に接していたのかな。

 

『科捜研の女』では良い刑事だった崎本大海さん

今回もう1組の刑事組が生活安全部の百田刑事と久我刑事でした。
結局はどっちもどっちな展開で、右京さんは公平に両成敗をするわけです。
またもや正義の味方な右京さん!


人間って自分のテリトリーには甘いですからね。
そういう心理を的確に表現されていたと思います。


ところで、久我刑事役の崎本大海さんは、過去の『科捜研の女』シリーズで土門刑事と共に活躍された木島刑事を演じてましたよね。
あんなに正義感の強い木島刑事の転落を見てしまった気がしました(笑)。
でもエリート意識が強そうでどこか勝気な部分の表情がうまかったので、木島刑事との違いがしっかり出ていました。

 

 

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強烈すぎるシャブ山シャブ子、17歳。。。

もうビックリでした。
百田刑事がブランコに座っているところに、急にホラー系の女が襲い掛かります。
ホラーがダメなので、思わず手で画面を隠してしまったほど。。。
相棒ですから残酷な場面になるはずがないのですが、そうとは思えないド迫力の殺害シーンでした。


そして、取調室の場面に入るときに映し出されるのは注射器の後がいっぱいの左腕のアップ。
ここから引きで百田刑事を襲った女性の姿が出ます。
こういう見せ方も上手い!


で、名乗ると。。。


シャブ山シャブ子です、17歳です!

 

( ゚д゚)ポカーン

 


シャブ山シャブ子って。。。
17歳って。。。
ツッコミどころ満載の強烈キャラが登場しました。
これが犯人の正体ですけど、動機も繋がりもわからず、百田刑事はこういう人に殺されてしまったという事実だけが残ったわけです。
相棒の世界では真実がわかるときがあるのかな?


たった2~3分くらいのシーンなんですけど、『相棒』史上に残る強烈キャラだと思います。
一生忘れません!
というか、あのシーンはいまも怖くて見れません。


それだけ名演技だったということですね。
江藤あやさんという女優さんでした。

 

今回の相棒。。。

今回は脚本が秀逸でした。
ものすごく盛り沢山なのに、1時間で収まっているという凄さ。
もう少し内面を掘り下げて前編後編やスペシャルでもいけるレベルです。
単なる4話でやってしまうのは惜しかったなぁ。


前半で源馬課長、後半で百田刑事ときっちり2つの事件を解決に導きながら、相棒の良さも際立ってましたし、角田課長を絡めるのも上手でした。


地味に伊丹刑事と芹沢刑事の扮装も爆笑でしたし、すべての運を使ったようなツキの良さが面白かったです。
自分の懐に入らないからこその無欲の勝利でしょうね。
人物の動かし方や取り入れ方が本当に上手かった!
あとは、シャブ山シャブ子に尽きます(笑)


相棒のドラえもんを録画し忘れてガッカリです。

 

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