『相棒18』第4話「声なき声」の感想です。
今回は外国人労働者を不等にこき使っているという社会の闇に迫った回でした。
非常に見ごたえがあり、引き込まれました。
ある意味『相棒』らしさが詰まっていたように思います。
監督は権野元さん、脚本は児玉頼子さんでした。
▽目次です▽
少し詰め込み過ぎだった内容が惜しかった
話の展開上、遊具事故の件は必要だったのでしょうけど、1時間内で納めるにはちょっと厳しいように感じました。
1番大事なテーマである外国人技能実習制度を悪用したというところに、右京さんのメスが刺さって事件解決に導くという大筋が、少し雑になってしまったように思います。
でも、その遊具事故も1人の実習生を死に追い詰めたという点では大事だったのかもしれません。
だからこそ、切なかったですし胸に突き刺さるものを感じました。
最後の手紙の場面は思わず涙。
せっかく日本に来たのに、いい思い出は何一つなかったんだろうなぁと思うと、日本人としては悲しくなるばかりです。
現実にはこういう不当な扱いを受けている実習生がおり、社会問題化がされています。
右京さんが極悪人を成敗!
決して後味スッキリというような話ではないですけど、右京さんがしっかりと正義の味方となり、悪い者に間接的とは言え成敗したところは、非常によかったです。
松下議員とヤクトー工業の社長が成敗されましたからね。
謎解きの部分はあまりありませんでしたけど、底辺で苦しんでいる人をしっかりと見つけ出し、そこを救ったという点はまさに杉下右京!
前回の『相棒17』は後味の悪い回が少しあったので、こういう悪いヤツがしっかり裁かれていくというのは、見ていてホッとしますし、そこに右京さんへの尊敬が生まれます。
最後の飄々としているところまでが右京さん。
でも、右京さんの頭脳には見えている未来があるのかなぁと思ったり。
右京さんの「正義」はジャーナリスト中川には重責
そして、右京さんは中川に「それでも書くべきだった」とジャーナリストとしてのトドメを刺していたところは少し辛かったですけど、右京さんの言うとおりなんですよね。
それで救われることもあるわけですから。
でも、相当の精神力ではないと、自分が死に追いやったという状況でジャーナリズムを貫くというのは、無理ではないでしょうか。
自分に置き換えると、たぶん無理。
一生良心の呵責との戦いになりそうです。
だけど、右京さんはそのぐらいの覚悟があってこそ、真のジャーナリズムなのでは、と中川さんに問いかけていたように感じます。
右京さんはなによりも「正義」を重んじる方ですから、中途半端な気持ちではダメだということを遠回しに言っていたんだと思います。
だからこそ、それまでの中川の記事に一目置いていたのでしょう。
「正義」を貫くにも、いろんな重責を抱えないと非常に難しいのだなぁと感じました。
風間楓子のジャーナリズム
いつも飄々としていて、綺麗な女性であることも利用して上手にジャーナリストとして活躍している印象がある、風間楓子。
その風間さんが少し見せた人間らしい顔がラストに見えました。
中川を本当に尊敬したのだなぁというのがわかるラストでしたし、彼を尊敬するゆえに、トドメを刺したのでしょう。
カッコ良かったです。
相棒の女性陣としては、あまり好きなタイプではないのですが、彼女なりの芯の強さが出ていたように思います。
死にそうな目に遭ってもジャーナリストを続ける強心臓の持ち主ですからね。女性の殻を被った中身は男性なのかもしれません。風間さんは強い!
おそらく風間さんなら、自殺に追い込んだのが自分とわかっても記事書ける人なのだろうなと感じました。
だからこそ、右京さんも一目置いているのでしょう。
今回の相棒
過重労働撲滅特別対策班、通称「かとく」というのは今回の相棒で知りました。
いつも勉強させていただいております。
その女性職員、立花役のクノ真季子さんが良かったな。
ああいう化粧っけがなく仕事に一生懸命なおばさんっていますよね。最後報われてテキパキを動いている姿が頼もしかった。
ジャーナリストの中川役の長谷川朝晴さんも文句なしによかった。
今回のような重いテーマには似合う役者さんでした。
拗らせ青木くんが右京さんの言葉に転がされているのも面白かった。絶対まんざらじゃない感じでしたよね?
冠城さんにもからかわれてました。
右京さんと冠城さんはそれぞれの考えで動いても、お互いに考えている先が一致しているというのが、頭脳派同士の相棒の醍醐味ですね。
今回も顕著でした!
次回は冠城さんの元カノの話なんですね。
面白そう(笑)。
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