『相棒22』第13話「恋文」の感想です。
サブタイトルが「ラブレター」だと思ってましたけど、番組サイトで「恋文」と知りました。
まさに「恋文」というのがピッタリです。
さすが神森さん!
監督は内片輝さん、脚本は神森万里江さんでした。
▽目次です▽
なんとなく犯人は察しがつくが事件のストーリーが秀逸
今回の事件の発端が美和子さんがファンレターではなくラブレターをもらって浮かれているというほっこり場面からスタート。
実は今回の脚本が神森万里江さんだったというのは放送後にチェックして知りました。
ものすごく納得できるほどの素晴らしいストーリー性だったと思います。
そのラブレターの流れから美和子さんへラブレターを送ったと思われる青年が死体で発見されます。
ここから事件へと発展し、右京さんが推理していくわけです。
登場人物から戸倉が怪しそうなのはわかっていましたし、妻を愛していたという部分は本当っぽいので、奥様絡みで殺人になったのは想像できるのですが、動機はわかりませんでしたし、何よりもさらに深堀される人間模様が全くわかりませんでした。
戸倉があれだけ妻を愛していて、妻殺しはするのかなという疑問がありましたけど、なるほど、そういうことでしたか。
さすが右京さん。
妻の不貞も無理やりで、それが夫に対しての愛の裏切りをずっしりと抱えた結果死を選んでしまった。
戸倉も一時は妻に手をかけそうになるも、自殺を何度も試みたことに気がついてしまい殺せませんでした。
まさに連れ違いの愛。
その結果、妻が山の奥で自ら死ぬということも悟っていたという部分が胸にグッときました。
戸倉は妻が不貞の末にと思っていたので、実は戸倉を愛しているからこそ汚れてしまった自分が嫌で妻は死を選んだわけです。
闇金ヤクザに関わらなければこんなことにはならなかったのに。
悲しい結末にどんよりしてしまいました。
バッドエンド
妻と殺された佐藤さんとの繋がりも切なかった。
たぶんお金には不自由のないような家庭のはずですが、とんでもない親から虐待を受けていたとは。
それを守ってあげたのが戸倉の妻でした。
戸倉が妻探しをしていることを知り、親身になる佐藤さん。
まさかそれが自らの死を招くことになるとは。
あまりにも残酷な流れでした。
命の恩人でもある戸倉の妻を探すのに協力しなければ、そもそも戸倉と出会わなければ死ぬこともなったですよね。
なんとか助けてあげたいという気持ちから、間違えた真相に辿り着いてしまったために戸倉に殺されることになります。
戸倉も余命も決まってしまっている今、まさか殺人を犯すことになるとは思わなかったでしょう。
妻が生きていると信じたい気持ち、変わらぬ愛情に偽りがないからこそとても悲しい結末になってしまいました。
妻の生を信じることが生きがいと右京さんと亀山さんに告白する戸倉が切なすぎました。
1つだけ気になっているのが、いつも妻の分も食事を用意してましたけど、あれは毎回2食分食べていたんですかね?
そんなに食が太そうでもないのですが。
美和子へのラブレターと「宮部たまき様」
ラストも秀逸でしたね。
まずは亀山さんが嫉妬しまくっていた美和子さんのラブレター。
なんと亀山さんが差出人!(笑)
それを面白くなさそうに嫉妬していたというのが面白いです。
しかも、右京さんは当然ですが、美和子さんもしっかり見抜いていたのがさすがでした。
敏腕記者ここにありって感じですね。
亀山夫妻の愛情の深さにほっこりします。
そして、なんといってもエンディングのラスト。
おもむろに手紙を書いている右京さん。
まだ一行しか書かれていない便箋には、「宮部たまき様」!
これは往年の相棒ファンは悶絶だったのではないでしょうか。
私も「おお!」と驚いて嬉しくなっちゃいました。
右京さんはたまきさんにどのような手紙を書いたのでしょうか。
「恋文」というサブタイトルのラストですもんね。
詩人のような恋文を書いたのではないかと想像するとニヤけてしまいます。
たまきさんの女優さんがいろいろあった方なので相棒に再登場することは難しいのでしょうけど、右京さんの言葉だけででも近況が知れると嬉しいですよね。
ここでこてまりさんじゃないところがよかっったです。
神森脚本は素晴らしい!
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