2018年9月20日放送の『プレバト才能ランキング』のまとめで、「俳句」の査定と「プレバト俳句名人vs高校生日本一」でした。
昨年はプレバトチームが開成高校に勝利をしましたが、今年はどうでしょうか?
対戦相手は、今年の俳句甲子園の優勝校・山口県の徳山高校チームです。
俳句の査定では、トークのエース、キスマイの北山宏光さんが気になるところです。
ここのところ毎週のように出演しているフルポン村上さんはとんとん拍子に進むのかというのも見どころです。
◆俳句のお題:駅の花屋さん
◆査定される人
泉谷しげるさん、遼河はるひさん、北山宏光さん(Kis-My-Ft2)、柴田阿弥さん、白鳥久美子さん(たんぽぽ)
名人7段 村上健志さん(フルーツポンチ)
名人10段 東国原英夫さん
◆俳句の先生 夏井いつき先生
俳句の査定ランキング
最下位5位(才能なし)「泉谷しげる」30点
思い草
家族に向かう
帰路の線
(仕事終わって電車に乗ると、家族のことを考える。電車を走る草を見ながら、どんどん家族に向かっていく気持ちを詠んだ句)
◆夏井先生の添削後
家族に向かう
帰路の車窓の
秋の草
◆夏井先生の添削
最下位とはいえ、いいところもある。「家族に向かう」という想いの表現が、家族に向かって私の心が真っすぐに向かっている、と解釈できる。「帰路」も詩の欠片として十分いい部分。季語的にマイナス点。「思い草」が季語になって、ナンバンギセルという草を想像させるが車窓からは見えない草。
将来性のある「才能なし」。4位のヤツはほぼ将来性がない「才能なし」。←北山くん(笑)
4位(才能なし)「北山宏光(Kis-My-Ft2)」35点
妻に媚び
秋薔薇包み
酔い終電
(旦那が友達と終電ギリギリまで飲んでしまって、妻に薔薇でも包んで機嫌を取ろうかな、という句)
◆夏井先生の添削後
妻へ買う
秋薔薇
終電の微醺(びくん)
◆夏井先生の添削
確かにパッと見で悪い。キスマイの連中は自分の体験を書かずにドラマばかり作りたがるのかと。ドラマを構築するのが悪いというわけではないが、発想がベタ。発想がベタな上、動詞が3つ。それが遼河さんとの差。
3位(凡人)「遼河はるひ」60点
雑踏抜け
花一つ買い
夜長堪ゆ
(リアルな私の思い。駅の雑踏を抜けて一人で住んでいる家に帰った時に寂しくなる。花を一つ買うと、ざわついた気持ちも一人の長い夜も落ち着く、という句)
◆夏井先生の添削後
花一つ
買うて夜長を
堪えんとす
◆夏井先生の添削
発想がとてもナイーブな句。素質はすごくある。一句に入っている時間軸が長くてもったいない。「抜け」「買い」「堪ゆ」俳句で動詞3つ入るのは難しい。1つに絞った方がいい。
◆ここがポイント!
動詞の数に注意
2位(凡人)「柴田阿弥」65点
花うんと
教えし祖父や
星月夜
(実際にお花屋さんに行ったら、祖父に教えてもらったお花がたくさんあった。懐かしいという気持ちになったのと、祖父が昨年秋に亡くなったので切ない気持ちと温かい気持ちと共に「星月夜」という季語を使って詠んだ句)
◆夏井先生の添削後
花の名を
教えし祖父や
星月夜
◆夏井先生の添削
素直に自分の体験を実感を持って書いている。「花」というのは俳句の世界では「桜」と思ってしまう。後付けで「桜」じゃないと気付く。「花の名を」にするといい。勉強しましょう。
◆ここがポイント!
「花」には注意。
1位(才能アリ)「白鳥久美子(たんぽぽ)」70点
晴天に
雲描く筆
花すすき
(田舎出身で都会の花屋さんにすすきが売っていてびっくりしたことがある。遠足などで行った山に一面にススキが生えていて、青空に筆で雲を描いているみたい、という句)
◆夏井先生の添削後
添削なし
◆夏井先生の添削
とても気持ちよく書けている。まさにポエム少女。色彩的にもスケッチのような美しさ。
◆順位まとめ◆
1位(才能アリ)「白鳥久美子(たんぽぽ)」70点
2位(凡人)「柴田阿弥」65点
3位(凡人)「遼河はるひ」60点
4位(才能なし)「北山宏光(Kis-My-Ft2)」35点
最下位5位(才能なし)「泉谷しげる」30点
特待生昇格試験
名人7段「村上健志(フルーツポンチ)」⇒1ランク昇格【名人8段】
真夜中の
花屋の灯り
秋澄めり
(花屋には深夜営業しているところがある。暗い中明かりを見つけてそれがお花屋さんなら素敵。その素敵な感覚と「秋澄めり」という映像や音がくっきりとし跳ね返ってくるくる回ってくるという感じの句)
◆夏井先生の添削後
添削なし!
◆昇格試験のポイント
季語「秋澄めり」の是非←季語の選択が見事!
時間を動かして考えてみるというのも、発想法の一つとして良いポイント。暗い街中で灯りがついていて花屋とわかる。他のお店と違った心に灯りがともるような小さな嬉しさ、ポエム男子らしい切り取り方。勝負は最後の季語「秋澄めり」。秋の清澄さを表す季語はいろいろあるが、夜になるのがポイント。「秋澄めり」を選んだのはえらかった。真夜中の花屋の灯りを作者は心から美しいと感じている、というのが読み手に伝わる。褒めたいことはありますが、(村上の)ニヤニヤした顔がどうもイラつく。
永世名人への道「東国原英夫」⇒1つ後退!(スタート地点に戻る)
女店員の
首にキス跡
桔梗買う
(作者は女店員に恋心を抱いている。花屋の店員さんは清楚で品があって慎ましやかな感じ。その首筋にキスマーク!桔梗の花言葉は気品や清楚。失恋という花言葉でもよかったが、あえて清楚である桔梗を買う。切ない、という句)
◆夏井先生の添削後
桔梗を
勧める首筋に
キス痕
◆昇格試験のポイント
動詞「買う」の是非←季語の印象が薄い!
発想は楽しませてもらった。さすがだな、と思う。あの写真から「キス跡」を見つけ出してくる。発想の王者。もったいないのは、主役の季語「桔梗」よりも「女店員」が感全に目立つ。バランスの問題。
プレバト俳句名人vs高校生日本一
昨年から始まり、今年で2回目の対戦です。
プレバトチームの対戦相手は、俳句甲子園の王者常連の開成高校を破り初優勝した、山口県の徳山高校チームです。
昨年は開成高校に2勝1敗でプレバトチームが勝ちました!
ちなみに、フジモンさん、フルポン村上さん、ノンスタイル石田さんで戦いで、フジモンさんが1敗してます。
リベンジに燃えるフジモンさん!
◆対戦する人
東国原英夫さん、藤本敏史さん(FUJIWARA)、村上健志さん(フルーツポンチ)
◆俳句のお題:俳都(松山は俳句の聖地と言われている)
1回戦 vs藤本敏史(FUJIWARA)
◆藤本敏史(FUJIWARA)
マッチ箱の
汽車眩し
夕虹の街
◆弘松準平君
峯雲や
俳都へ向かう
船の上
◆1回戦結果
プレバト 7ー4 徳山高校
どちらもいい句。「峯雲や」と強く強調した後に、「俳都」という言葉だけで「向かう船の上」で何を語ってどんな志を持っているのか言わなくてもわかる。省略の仕方が高校生とは思えない。
対する藤本さんは、これだけ材料を入れてまとめてきた。対照的。「眩し」と描写したのが上手い。季語の「夕虹」が活きてくる。腕を上げている。
2回戦 vs村上健志(フルーツポンチ)
◆浅原佑斗君
トロフィー掲ぐ
松山の天高し
◆村上健志(フルーツポンチ)
西日へと
坊ちゃん列車
転回す
◆2回戦結果
プレバト 4ー7 徳山高校
浅原君のは「掲ぐ」の後に「天高し」という風に、動作からの季語のクローズアップをきちんとやっている。
対する村上さんは、絶賛する先生もいらした。
負けたのは気の毒だった。
3回戦 vs東国原英夫
◆東国原英夫
鰯雲
仰臥の子規の
無重力
◆部長・西村さん
朧月
人それぞれに
ある言葉
◆3回戦結果
プレバト 9ー2 徳山高校
西村さんの句は大人びた句。
でもやっぱり東国原さんの句の素晴らしさには、みんながやられた。
この句が出た瞬間に、開場が微かにどよめきいた。それぐらい上手かった。
最後の「無重力」という言葉をよく持ってきた。正岡子規が死んだ後、死が子規の身体を無重力にしていくのではないか。
かなりの表現が最後の言葉に入っている。
これは勝って当然だった。心から拍手を送ります。
プレバトチームが2勝1敗で2連覇!
東国原さん圧勝でした。
東国原さんの句が本当に素晴らしかった。
久しぶりの東国原さんらしい句だったのではないでしょうか。
来年は3連覇かな。
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