2019年3月14日放送の『プレバト才能ランキング』は、「俳句・いけばな」の査定でした。
俳句では久しぶりのフジモンさん。
前回の放送で出演されてましたから、2本撮りだったのでしょう(笑)。永世名人に一歩踏み出せるかどうか気になります。フジモンワールドな俳句に期待ですね。
キスマイの横尾さんはずっと「現状維持」が続いてますけど、昇格できるのかというのも気になるポイント!
それと初登場の乙武洋匡さん。乙武さんって本の歴代売り上げ第4位なんですよねー。
前にニュースで見たことがありますけど、改めてすごい大ベストセラーだったんだなぁと驚きます。
480万8,000部の売り上げ部数になります。480万か…。本が売れない現在ではとてつもない数字ですよね。
ちなみに書籍歴代売り上げ5位はこうでした
▽
書籍歴代売り上げベスト5
- 窓際のトットちゃん 580万9,500部
- 道をひらく 511万部
- ハリー・ポッターと賢者の石 509万部
- 五体不満足 480万8,000部
- バカの壁 437万8,000部
トットちゃんが1位なんですね。すごいや。
「いけばな査定」では三上さんが特待生昇格試験に挑みますけど、もうずっと三上さんだけしか出ていない印象が(笑)。
プレバトって出演者の登場が集中しますよね。
元宝塚の方ってどうしたんだろう?面白いのに。
俳句の査定ランキング
◆俳句のお題:「春の引っ越し」
◆査定される人
コロッケさん、乙武洋匡さん、手塚理美さん、みちょぱさん、藤井隆さん
名人3段 横尾渉さん(Kis-My-Ft2)
名人10段 藤本敏史さん(FUJIWARA)
◆俳句の先生 夏井いつき先生
最下位5位(才能なし)「コロッケ」20点
巣立ちの日
母の心は
春出水
(初めて「東京に行く」とき母とケンカをした。「旅立ち」というのも変だし、格好つけて「巣立ち」。「春出水」は雪がとけて水になっていく、そのくらい母の心は悲しいと後から聞いたので、それを詠んだ句)
◆夏井先生の添削後
巣立つ子へ
春のさみしき
心かな
◆夏井先生の添削
自分で素晴らしく母の気持ちを詠んだ気になっているだけ。
「春出水」を比喩に使っているという問題。季語を比喩に使ってダメなことはないが、下手な使い方をしてはダメ。この句の場合の「春出水」は、雪解けの水というよりも巣立っていく子へのお母さんの春の想いを伝えたい、ということだろうと思う。であれば、強調した比喩に持っていかなくても、お母さんの気持ちは「春」という季語だけでも十分に伝えることができる。
(添削後)お母さんかお父さんの想いに違いない、と読み手の心にそっと伝わってくる。
4位(凡人)「乙武洋匡」50点
春の泥
跳ねるトラック
夢を乗せ
(「春の泥」は雪解けで地面がぬかるんでいる様子。それをトラックが跳ねていく。長いこと住んでいると良いこともあれば悪いこともある。そういうのも蹴散らせながら次の新天地に夢を膨らませていく、という句)
◆夏井先生の添削後
一家乗せ
跳ねるトラック
春の泥
◆夏井先生の添削
上五中七まではいい。下五でまた「夢」かと思う。凡人の皆さんはすぐ「夢」と書きたがる。この番組の「あるある」。
引っ越しのトラックというイメージを作りたかったら、夢ではない別なものを乗せればいい。逆から攻めてみましょう。こうすると「跳ねる」の意味が変わってくる。夢と希望を持って、跳ねるかのようにトラックが進む。最後の「春の泥」も跳ねているに違いない。
このようにすると、言葉が相乗的な効果を持つ。
3位(才能アリ)「みちょぱ」70点
引越が
町で三件
夏近し
(引っ越しの写真だったのと、春も好きだが夏が好きなので夏の季語を入れた、という句)
◆夏井先生の添削後
引越が
町内三件
夏近し
引越が
今日は三件
夏近し
◆夏井先生の添削
とても明るい気持ちのいい句。「引越」という言葉をストレートに使ってくるというのは一つのやり方。「三件」というのを具体的に書いてあるのはとても良い。「夏近し」というのが良く来たなと思う。他の季語が入る可能性もある。引っ越しの寂しさのようなものをいうのいではく、引っ越して変化していくエネルギーや好奇心を表に出そうとしている。
「夏近し」は季語としては春の終わりの季語。
悩ましいのが「町で」。町の規模にもよるが、うちの町で三件と把握できる人っていない。引っ越し屋さんくらい。これが微妙に引っ掛かりはした。近所のことを表すのであれば「町内」、引っ越し屋さんであれば「今日は」。こうすると点数が上がっていく。
◆ここがポイント!
季語の選び方
2位(才能アリ)「手塚理美」71点
ダンボール
つまれし新居
うららかに
(息子が大学受かって一人暮らしを思い出した。やっと引っ越しが終わってダンボールがつまれたところに、うららかに春の日差しが注いでとても穏やかに明るくて、新しく始まる生活を思い描いているひと時、という句)
◆夏井先生の添削後
ダンボール
つまれ新居の
うららかに
◆夏井先生の添削
「ダンボール」というものが出てきて、映像を確保している。「つまれし」という状況も見えてくる。「新居」で「ダンボール」の意味がわかってくる。「引っ越し」という言葉を使わないで、状況を上五中七で言えている。「うららか」という季語は映像を持たない。上五中七の映像が季語で包み込んでいる。
1点惜しいのが、「つまれし」の「し」。これは過去や存続を表す言葉のため、ダンボールがつまれたままというイメージがでてきてしまい、全然「うららか」ではなくなる。
余談だが、「春うらら」は「うらら」だけで季語なので、季重なりになってしまう。
◆ここがポイント!
表現の精度を高める
1位(才能アリ)「藤井隆」72点
実家から
持ち出すタオル
選ぶ春
(初めて一人暮らしを始めた時に、新しいものをいっぱい買うが、タオルを買うのを忘れていて、実家から持っていくときになんとなく選んでいた。それをふと思い出した、という句)
◆夏井先生の添削後
添削なし!
◆夏井先生の添削
とても構成が面白かった。「実家」から「持ち出す」と言われると、良からぬことをやろうとしていると思う。通帳、ハンコ、土地の権利書など。「持ち出す」というところに引っ掛けがある。実は「タオル」。その意味のヒントの1つが「選ぶ」。なぜタオルをわざわざ選んで持ち出すのか。最後の「春」。たった一字の季語が出てきて、初めての一人暮らし、そのための引越しをしているのではないか。実体験は強い!
オリジナリティーとリアリティーはきっちり入ってくる。
この人の小さなところをつまんでくる能力はたいしたもんです!
◆順位まとめ◆
1位(才能アリ)「藤井隆」72点
2位(才能アリ)「手塚理美」71点
3位(才能アリ)「みちょぱ」70点
4位(凡人)「乙武洋匡」50点
最下位5位(才能なし)「コロッケ」20点
特待生昇格試験
名人3段「横尾渉(Kis-My-Ft2」現状維持
地下鉄に
迷い込んだ
シャボン玉
(都会の迷路に迷い込んで戸惑った若い人たちを書いた。シャボン玉が若者たち、社会人になって人間関係も複雑になる。それを全部地下鉄に例えて今から自分がやっていくという決意をしている句)
◆夏井先生の添削後
シャボン玉の
ごと地下鉄に
迷いたり
◆昇格試験のポイント
「中七あえての字足らず」の是非←やはり七音がいい
この句を素直に読んだ。中七の一音の字足らずがどれだけ効果があるかを考えた。俳句は一行で書くので、1マス空けて、ポカンとした「一体なんだ」ということを表現できる。そういうやり方がある。
今話を聞いたら、「シャボン玉」が比喩。そうであればそう書くしかない。「シャボン玉」から始める。こうすると、フワフワした感じの頼りない人物が見えてくる。あなたのいいたいことはこのやり方で実現できる。
比喩にすると季語の力は多少弱まるが、春先の初めて都会に行った頼りなげな若い人の表情を比喩したものとしては、かなりイケている。
永世名人への道
永世名人への道「藤本敏史(FUJIWARA)」⇒現状維持
おぼろ夜や
荷馬車で眠る
象使い
(現代の引越しの情景を詠むのはやめようと思った。昔のサーカス団。ある街で公演したら次の街に行く。夜になって春の暖かい月の光、優しい月の光に包まれて、サーカスに出てる象使いが荷馬車で眠っている、という句)
◆夏井先生の添削後
おぼろ夜や
荷馬車に眠る
象使い
◆昇格試験のポイント
助詞「で」←10段にしては助詞の選び方が雑
句としては良いところがいっぱいある。
季語「おぼろ夜」、「荷馬車」で状況、「眠る」という動作、「象使い」という人物が出てくるが、生き物の気配というのも出てくる。読んだ瞬間に、サーカス団かな、ひょっとしたら物語や絵本の世界かもしれない、とそれらがありありと見えてくる。
俗っぽい引っ越しの写真からこういう発想をつかみだすことができる。さすが名人だなと思った。
まだ褒めます。「荷馬車」の「馬」、「象」で生き物の気配が濃くなってくる。「眠る」で「夜」の情報としっかり結ばれる。
もったいないのは「で」だけ!
置けるとしたら、あとは「に」。この場合場所をいうので、どっち使ってもいいようなものだが、ちょっとだけ意味が違う。「で」は活動場所の意味になる。「に」はその動作が持続していくという持続行為の意味になる。今回は「荷馬車で眠る」という行為が活動場所ではなく、持続しているので、「に」にすると完璧。
いけばなの査定ランキング
◆今回のテーマ:スイートピー
生ける器は自由に選択
◆査定される人
コロッケさん、手塚理美さん、みちょぱさん、藤井隆さん
名人初段 三上真史
◆いけばなの先生:假屋崎省吾先生
最下位4位(才能なし)「みちょぱ」
◆作品名『左肩上がり』
◆手直しあり
◆假屋崎先生の評価
器と花が分離している。まとめすぎていて動きが全くない。ハランの裏が見えてしまっている。
悪いところだらけの素晴らしい作品。
3位(凡人)「手塚理美」
◆作品名『可憐な娘たち』
レンギョウが寮母さん、スイートピーをそれに群がる可憐な少女たちを表現。
◆手直しあり
◆假屋崎先生の評価
シンメトリーで平面的になってしまっている。器の足と輪郭が全部見えて、花と分離されている。
モンステラの葉っぱを正面に足し、シンメトリーさを失くして、器にちょっとかかるようにするとアンシンメトリーになるり、動きが出てくる。
◆いけばなの鉄則
左右非対称で立体感を出す
2位(才能アリ)「コロッケ」
◆作品名『コロッケ』
スイートピーをモノマネのご本人として表現。レンギョウを自分自身。芸の精神を表現した。
◆手直しあり
◆假屋崎先生の評価
スイートピーの可憐さが出ている。レンギョウの枝ぶりをぐんと持ってきた。とても美しい。
ただ、空間が空いてちょっと寂しかった。パランを足してバランスを出すといい。
◆いけばなの鉄則
全体のバランスを意識する
1位(才能アリ)「藤井隆」
◆作品名『花たちのベストテン』
黄色い器と黄色い花を調和させ、スイートピーの色を際立たせようとした。
◆手直しなし
◆假屋崎先生の評価
見事。華やかで春っぽい。楽しげな感じで、器の選択もいい。
器の黄色、オンシジウムの黄色、レンギョウの黄色、黄色の統一感がビタミンカラーでウキウキする。
さすが我が弟!
◆順位まとめ◆
1位(才能アリ)「藤井隆」
2位(才能アリ)「コロッケ」
3位(凡人)「手塚理美」
最下位4位(才能なし)「みちょぱ」
名人初段「三上真史」1ランク昇格⇒【名人2段】
◆作品名『飛躍』
スイートピーの花言葉は「蝶のように飛躍する」。まさに蝶が舞っているように、全体をスイートピーが舞っている形にした。ハランを縦に入れて「面」を作った。
◆假屋崎先生の評価
面が効果的。
ハランの使い方が絶妙にいい。空間もほどよくいい。
立体感、器との一体感。線、面、器と三位一体となって傑作が出来上がってしまった!
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