2019年9月12日放送の『プレバト才能ランキング』で、「俳句・料理の盛り付け」の査定でした。
今回の俳句査定はめちゃくちゃレベルが高かったです。
気になるのは、篠田麻里子さんが特待生に昇格なるかどうか。
また東国原さんが低迷している永世名人に近づけるかどうか。
あらたな「俳句ハラスメント」略して「俳ハラ」という言葉が出てきました(笑)
俳句の査定ランキング
◆俳句のお題:「秋夕焼の帰り道」
◆査定される人
朝加真由美さん、筧利夫さん、古閑美保さん、篠田麻里子さん、加藤シゲアキさん(NEWS)
名人2段 中田喜子
名人10段 東国原英夫
◆俳句の先生 夏井いつき先生
最下位5位(凡人)「古閑美保」60点
とんぼうの
空へ勝利の
歓喜湧く
(秋口はトーナメントが佳境。夕方は結構とんぼが飛んでいる。勝利を確信した時に空を飛んでいる。歓喜と共にとんぼが空へ、という句)
◆夏井先生の添削後
勝利のパット
歓喜は
とんぼうの空へ
タッチダウン
歓喜は
とんぼうの空へ
へそくり発見
歓喜は
とんぼうの空へ
◆夏井先生の添削
「湧く」がいるのか大事なポイント。
一番工夫したのは「とんぼうの空へ」だと思う。ちゃんと空間を作るのは良い。
ただ何の勝利か分からない。これが1番大きな問題。
歓喜とあれば大体湧いている。
「歓喜はとんぼうの空へ」にする。最後「空へ」で空の映像で終わった方が、季語も生きてくるし、空へ歓声が上がる感じにもなる。
あとは、スポーツなのかなんなのかはっきりしたい。
頭の上五はなんでもやれる。たとえば「タッチダウン」とか、「へそくり発見」でもいい。
今回はゴルフなので「勝利のパット」とする。これで完成する。
4位(凡人)「加藤シゲアキ」62点
めんつゆが
一・五本
秋の宿
(お中元でそうめんや冷麦をもらう。それでめんつゆも買うが、消化しきれずに麺もめんつゆも中途半端に残ってしまう。秋の宿は季語で家という意味もある。家で中途半端に残っている、という句)
◆夏井先生の添削後
めんつゆが
一・五本
残り秋
◆夏井先生の添削
この句は発想としては悪くない。
めんつゆが1.5本残っているなんて他人にはどうでもいいこと。くだらないと言えばくだらないこと。
だが俳句は、小さなくだらないことを俳句の型に落として季語の力を借りると、そのどうでもいいことがちゃんと作品になっていく。
「ここを切り取ったらよい」というキャッチする力がある。
「秋の宿」が誤解を生む。普通の家で1.5本はどうなんだろうと思った人は、「宿」を民宿や旅館と読んでしまう。「宿」を残すより、「残った」ことを書けばいい。
こうすると絶対自分の家だと読む。秋という季語が面白い働きをする。
この人すぐ上手くなると思う。
3位(凡人)「筧利夫」64点
帰り道
三日月冷やかす
半袖を
(秋とはいえ昼間は暑いので半袖で出てしまう。夕方に冷えて来て、秋だったと気づく。三日月冷やかす。「冷やす」と「冷やかす」をかけていた、という句)
◆夏井先生の添削後
三日月が
冷やかす
夜の半袖を
◆夏井先生の添削
いいところはもちろんある。
気に入ったところは、三日月が半袖を冷やかすという部分。擬人化は上手くいかないが、これは愉快にやっておかしみがある。
何が問題かというと「帰り道」。「帰り道」を入れなくても、他を丁寧に描けば「帰り道」と伝えられる。
このままだと、散文をちぎって俳句っぽくしている。
「帰り道」を諦める。「三日月」から始める。
「夜の」や「夕の」などの時間を入れる。こうすると、朝家を出てくる時は暑かったんだろう。夜だから帰り道に違いない。そういう風に想像してくれる。
メカニズムが分かれば、才能アリに行くと思う
◆ここがポイント!
あえて「夜」を入れる効果
2位(才能アリ)「朝加真由美」70点
鰯雲
夕餉の菜の
豆腐汁
(私の頭の中は食べ物でいっぱい。「夕餉の菜」は生活の中で食事にとても力を入れている。「豆腐汁にしよう」というふわっとした感じ。秋になってきた。温かい物も良いな。という句)
◆夏井先生の添削後
添削なし
◆夏井先生の添削
非常におだやかな取り合わせが出来ている。お勉強なさったかなと思う。
基本的な型をしっかり押さえている。
頭で季語「鰯雲」が出てくる。これで秋の空がはっきり見えてくる。
「鰯雲」から「夕餉」と来ると、ゆっくりと夕焼けに変わっていく印象が出てくる。
「夕餉の菜の」と「の」でつなぎながら、最後は「豆腐汁」というメニューが出てくる。
「鰯雲」を見上げながら、今日の夕食は何にしようかなと買い物の帰りかもしれない。または、夕餉の豆腐汁が出来上がったところかもしれない。
驚くようなは発想がある訳ではないが、昭和30年代の懐かしい光景の味わいもある。
おだやかに出来た一句。
◆ここがポイント!
基本の型
◆東国原さんの話。
朝加さんには昔お世話になった。朝加さんがご飯を作ったそう。
前の奥様・かとうかずこさんと朝加さんは親友。家族ぐるみの付き合いがあった。
豆腐汁を見た時に僕泣いた。
◆◇◆ ◆◇◆
そんなご縁があったんですね~。
かとうさんということは相当前の話ですね。
1位(才能アリ)「篠田麻里子」71点⇒特待生昇格!
引き波を
自転車で追う
秋夕焼
(福岡県の糸島出身。学校帰りに自転車に乗っていたら、夕日が見える時間帯。沖に漁船が走っていて、その後を引き波の白い線が出る。その白い線とと夕日の赤のコントラストがロマンティックだった、という句)
◆夏井先生の添削後
添削なし
◆夏井先生の添削
キレイに出来ている。
「引き波」という映像が出てくる。沖の船の引き波と説明があったが、私は波打ち際の砂浜の引き波のイメージだった。
この句はその辺りを明確に書いてはいないが、「秋夕焼」の光景が断片的に立ち上がってくるので、逆にこれくらいで良い。
最後の秋の夕焼けが映像として出てくる。
それぞれの言葉がお互いを邪魔しない様に丁寧に選ばれていて、一種のムードや抒情もある。
これは褒めて良い。
(今回才能アリ5回目)良いレベルで作ってきてくれている。
ご自身らしい世界を持っている。特待生になっても大丈夫ですよ。
北山くんよりは安定していると思う。
◆◇◆ ◆◇◆
北山さん(笑)。
完全にもらい事故!w
キスマイの方々は多忙みたいで最近出なくて寂しいです。
◆順位まとめ◆
1位(才能アリ)「篠田麻里子」71点⇒特待生昇格!
2位(才能アリ)「朝加真由美」70点
3位(凡人)「筧利夫」64点
4位(凡人)「加藤シゲアキ」62点
最下位5位(凡人)「古閑美保」60点
特待生昇格試験
名人2段「中田喜子」現状維持
閉じる門
「さよなら」は
秋夕焼色
(小学校の校門が閉まる瞬間を詠んだ。あえて閉じる門にしてみた。閉じていく時間に、奥から小学生が来るかもしれない。そういう映像も夏井先生に分かって欲しい、という句)
◆夏井先生の添削後
校門の
「さよなら」は
秋夕焼色
◆昇格試験のポイント
上五「閉じる門」←何の門なの?
「さよなら」と展開するから学校の門と言いたいのは分かる。
ただ「閉じる門」にしたら、色々な動きとか人が見えるに違いないからここは一ひねりしようと思い過ぎてる。
逆に「刑務所?」とか…。
本人が思っていることがきちんと伝わるかの保証が、工夫したばかりに弱くなっている。
「校門」と素直に書けばいい。
普通に書けば「閉じる」ことは想像してくれる。
「校門」にすると、後半の声が限定される。その声は子どもたち。それに答える先生。そして「秋夕焼色」。
そうすると「秋夕焼色」の比喩が綺麗だね、かわいいねと思う。
「閉じる門」では、もう2度とここに来るなよ、となる。
◆◇◆ ◆◇◆
浜ちゃんが「刑務所」に大うけしてました。
また「校門」にすべきとちゃんと答えられてました。
『水曜日のダウンタウン』では記憶がなくても、『プレバト』での吸収率は高い浜ちゃん(笑)。
永世名人への道
永世名人への道【星0】「東国原英夫」⇒1つ前進【星1】
謹慎の
身に沁む
タップダンス踏む
(21年前に不祥事を起こした。たけし軍団はタップダンスを練習していた。謹慎で仕事がゼロだけど、タップダンスだけは辞めたくなかった。でもこのタップダンスをやっていても、披露することはあるのか。未来はどうなるのか不安の中で1人で練習するタップダンスの音が身に沁みていく、という句)
◆夏井先生の添削後
添削なし
◆昇格試験のポイント
「謹慎の身に」の展開是非←凄い情報量
これだけの情報を1句の中に入れて、破綻しなかったと思う。
工夫が2つある。
1つは、季語の置き方に工夫がある。
「身に沁む」全体が秋の季語。ここに「謹慎の身」とくっつける。ただの「身」ではなく、「謹慎の身」である。そうすると、ますます身に沁みてくる。
ここでカットが切れて、次に「タップダンス」と具体的な情報が入っている。
これで芸をやっている職業の人とわかる。そして、謹慎の身なんだけど、いつ舞台に上がれるか分からないが、タップダンスをひたすら練習している。
読んだ人は想像が出来る。
「沁む」「踏む」と韻を踏むことによって、繰り返されていく謹慎の日々のイメージが、そこはかとなく伝わる。
話を聞いたら、自分の体験なんでしょ?大したもんだと思う。
謹慎の身でよくぞここまで、本当にお見事でございます。
それはさておき、「俳ハラ」ですか?俳句ハラスメント?
それぐらい引きずるほど真剣にやっていただいているのが、私としては嬉しい。
これからも「俳ハラ」頑張っていこうと思います
◆東国原さんの「俳ハラ」話
『プレバト』の永世名人は非常に精神的に負担がかかっていると言ってました。
俳句を出したら降格とか、浜ちゃんが楽しそうに言っているのが辛いとのこと。
それをTwitterで呟いてそうです。
そこには「正に俳句ハラスメント(俳ハラ)である。訴えたら勝てる」と呟いてました。
「1つ前進【星1】」になった瞬間に、「俳ハラで訴えるのをやめます」とすぐに訂正してました。
料理の盛り付け査定ランキング
◆査定される人
朝加真由美さん、筧利夫さん、古閑美保さん、篠田麻里子さん、加藤シゲアキさん(NEWS)
特待生5級 篠田麻里子さん
◆盛り付けの先生 土井善晴先生
最下位4位(才能なし)「筧利夫」
◆旬の刺身の三種盛り
◆お手本あり
◆土井先生の評価
マジ!?
チャレンジ精神にはものすごく評価するが、才能なし。
これはフルーツの盛り付け。刺身が主役になっていない。
いざ食べるとなると「こんだけ?」と思われる。「食べる」という満足感が足りない。
◆◇◆ ◆◇◆
これはお腹が痛かった!
本当にフルーツの盛り合わせになっていて、お刺身がちんまり。
お刺身がオマケになっていました。
浜ちゃんも「これおもろいな!」と言ってました。
筧さんは「僕ある意味、このコーナーで必要な人になっているよね?」とアピールしてました。さすがです!
3位(才能なし)「古閑美保」
◆秋野菜のサラダ
旦那様へ
◆お手本あり
◆土井先生の評価
秋のサラダの要素は全て入っている。でも無神経。
キノコ・かぼちゃ・レンコンをくっつけて寄せている。緑とのコントラストでキレイに見えるもの。
秋野菜の間に緑が入ってくると、茶色は緑色でより際立つ。
合わせ方が無神経。
2位(凡人)「朝加真由美」
◆秋の行楽弁当
◆お手本あり
◆土井先生の評価
上手に盛っている。
和食の基本だけど、かなりレベルが高い。細やか。ハランを輪にして1つの世界の中で区切りをつけている。
上手く素材を際立させることが出来ている。深く考えられている。
緑を置く配慮も役割も完璧。
感性がなければ出来ない。基本を踏まえながら、大変よく出来ました!
伝統的な段ごとの役割も踏襲している。
1位(才能アリ)「加藤シゲアキ(NEWS)」
◆秋野菜の炊き合わせ
関ジャニ∞の丸山さんへ
◆土井先生の評価
可愛らしいと思う。
器の挑戦精神がいい。
鑑賞の世界を左側に、料理は素直に箸が伸びるように右側になっている。素直に盛っていることを評価する。
器とあしらいと料理が見事に調和している。
インゲンは「止め」の役割をしている。「止め」は「天盛り」。和食に関してよくわかっている。緑色のインゲンを選んで正解。
◆順位まとめ◆
1位(才能アリ)「加藤シゲアキ(NEWS)」
2位(凡人)「朝加真由美」
3位(才能なし)「古閑美保」
最下位4位(才能なし)「筧利夫」
特待生昇格試験
特待生5級「篠田麻里子」現状維持
◆秋の和菓子の盛り合わせ
◆土井先生の評価
季節感で致命的なミス。
季節を読み間違えている。春の紅梅白梅。梅皿。
天の川は「七夕」の7月。金平糖と笹船の取り合わせが夏を連想させる。
全体の季節がバラバラ。
たとえば梅皿に秋の菊の葉を置くだけで、季節が変わる。春から秋に変えることが出来る。
特待生としてはいかがなものかと思う。
◆◇◆ ◆◇◆
篠田さんのは一見すると華やかで素敵だったんですけど、ちゃんと意味を持たせると全然ダメなんですね。
いろいろ勉強になります。
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