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『相棒17』第13話「10億分の1」 フリマアプリの視点が興味深いけど悲しさと虚しさがあった

『相棒17』』第13話「10億分の1」の感想です。

 

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今回のテーマはフリマアプリです。
脚本の神森万里江さんは、『相棒17』の第3話でも脚本を担当してました。

『相棒17』第3話「辞書の神様」 相棒らしい回。杉下右京の博学と辞書製作の裏側 - 今日も暇です。

 

「辞書の神様」は感慨深いところがあり、面白かったです。
辞書への拘りも興味深ったと記憶してます。


そんな神森さんが今回テーマにしたのがフリマアプリです。



監督は片山修さん、脚本は神森万里江さんでした。


▽目次です▽

 

ディープなフリマアプリ利用者の描写に興味

現在『メルカリ』や『ヤフオク』などのフリマアプリがありますけど、そこに目をつけたお話でした。
私は全くフリマアプリを利用しないので、仕組み自体がよくわかってませんけど、安く仕入れて高く売るという転売があるということは理解しています。


橋本美由紀さんはまさにフリマアプリを上手に使いこなして、それで生活していたという設定。
ネットカフェ生活とはいえ、暮らしていけるくらいには稼げるのかは疑問がありますけど、中にはそういうことに才能がある人がいるでしょうからあり得るのでしょう。
そこへの興味が湧いて面白かったです。

 

寂しさを埋めてくれたのがフリマアプリ でも嫉妬ですべてダメにした残念さ

都会に限らずですけど、孤独を感じて生きている人は多いんだと思います。
犯罪に加担してしまう中野絢子も、まさにその孤独を感じている1人でした。子育ての大変さもあるんでしょうけど、孤独に耐えられない人には、寂しくて辛い気持ちというのが生じてしまうんでしょうね。


私は人と接するのがあまり得意ではないので、逆に孤独で平気なタイプ(笑)。
むしろ放っておいて欲しいです。いやでも外部との接触で気を遣って生きている分、自分の時間が邪魔されたくないのです。
でもこれって、普段は外部と接触しているからこそ感じる煩わしさなんですよね。
本当に何日も、何ヵ月も、何年も1人っきりで大丈夫かどうか、というのは次元が異なるでしょう。


中野絢子はまさにその次元のことなるところに存在する人です。
彼女にしかわからない猛烈な孤独と追い込まれ感があったのだろうなぁと感じました。
だから、橋本美由紀と出会って友情を感じて育んでいく姿には、ちょっと感動したんですけど、その後の展開がやるせない。


橋本美由紀の煌びやかに見える商品欄に嫉妬を覚えてしまうのです。
素直な人なら、橋本にどういうテクニックを使っているのか聞くでしょうし、そこから2人で楽しくフリマアプリを利用していたと思われるだけに、悲しい結末。


嫉妬や妬みってなんにも生み出さないですよね。
上手に昇華していかないととんでもないことになってしまいます。

 

あり得ないかもしれないけど切なかった救出劇

さらに切なさを感じたのが、ダイキちゃんを守っていたという結末。
実際に守って転落して無事であったにせよ、ああいう形で倒れるのかどうかというのはさておき、話の展開としては本当に悲しかったです。


橋本美由紀にとって、中野絢子は大事な友人であり、その友人の息子をなんとかして守りたい、そして本能で助ける様。。。


ラストシーンの写真が全てを物語っていて余計に切なさを増してました。
中野は子育てをしている分、気持ちに余裕がありませんでしたが、橋本も同じように孤独だったということ。
フリマでやり取りした時に添えられた一言書かれたカードを大事にしていたというところにも、孤独だった背景が見てとれました。


ダイキくんが助かったのはよかったけど、中野は橋本にと命を守ってもらったことをちゃんと伝えていって欲しいですけど、どうなのかな?
意外と年月と共に忘れていくような母親な気がして、さらに切なくなりました。


「10億分の1」の意味が、フリマアプリの出品数とそれを見つけて売買の縁ができるという確率でした。
その出会いを嬉しそうに語っている橋本さんの笑顔が眩しいだけに、悲劇になったのが悲しくもあり虚しいです。

 

犯人はすぐにわかるという展開

今回は序盤で出てくる宅配便のおじさんが絶対おかしい、と思わせていましたね。
犯人じゃない?、ってすぐに勘づきました。怪しいピンク色の口紅のようなものをポケットに付けてましたし。


ただ動機や橋本美由紀の転落、ポケットのピンクの謎については、全く推理できませんでした。
橋本さんがダイキくんを庇うために転落したというのがこれまた悲しい。
悪いのは配達員であり、柴田なんですけど、殺害したわけではないのです。


この辺りはモヤモヤしますけど、別件で逮捕でしょうから法が裁いてくれる部分もあります。


それでも、橋本美由紀は生き返らないわけで。ダイキくんを窓際に座らせた配達員、坪山は最悪でした。


柴田のような一見いい人が闇を持っているというのも怖い。
人を信じることの大切さを知ると同時に、見極めも大事ということ。表裏一体すぎますけど、現実としても大事なことでしょう。

 

今回の相棒…右京さんの一言が重たい

特命係にいたころよりも活躍の場がある拗れ青木くん。
今回もフリマアプリの話ですから、その辺りの活躍は当然でしょう。
いつになったら、右京さんとタッグが組めるのやら。


女性に優しい冠城さんが橋本美由紀と出会うところも、妙な縁がある感じが出ていてよかったです。
さりげなく名刺渡しちゃうんですね。
次の出会いが死んだ姿だったのが切ないですけど。


今回の右京さんもお見事でした!
そして、なによりも素晴らしい言葉を残してます。
「あなたの一番の過ちは手にしたもののありがたみを忘れてしまったこと」


胸に響きます。
普通に響いちゃいます。
人への感謝の気持ちって忘れちゃだめですし、縁を大事にしていくということをあらためて感じました。静かに諭すように話す右京さんに、じーんときました。


脚本の神森さんは、前回の「辞書の神様」でもラストで名言残してましたっけ。

 

 

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