『相棒22』第3話「スズメバチ」の感想です。
久しぶりの陣川さんの回です。
失恋も恋多きところも相変わらずでした(笑)。
監督は権野元さん、脚本は岩下悠子さんでした。
岩下さんの脚本でしたか。
今回は視聴後に知りましたが、ものすごく納得です。
▽目次です▽
犯人はすぐにピンときた
今回の相棒は割とすぐに犯人がわかる回だったと思います。
陣川さんの想い人である村岡めぐみさんがいかにも犯人風な感じで進みますが、彼女を追う右京さんと亀山さんが辿り着いたのが藤巻栄子。
彼女が万引き犯として捕まえたのがめぐみさんだったのですが、藤巻さんを見たら「あ、この人が犯人だ」とすぐにわかっちゃいました。
おそらく犯人がわかってしまってもそこは問題ない回だったでしょう。
大事なのはその動機だったからです。
犯人にはピンと来たものの、なぜ殺すに至ったのか、という点については右京さんの推理にかかっていました。
陣川さんは恋するがゆえの空回りではなく、ちゃんとすぐに改心してくれたところもよかった。
右京さんもあまり邪魔(?)されずに推理することが可能な回でした。
悲しすぎる負の連鎖を断ち切るため
その動機ですけど、被害者である加藤星也がまさかのストーカーだったという件。
それも常に付き合う女性をDVで苦しめているという悪党でした。
こんな男のために人生を棒に降るなんて愚かだと思われがちですけど、ストーカー被害に遭った方ではないとわからない恐怖でしょう。
いなくなってくれないといつまた自分の人生を脅かすかわからないのですから。
藤巻栄子が加藤から逃れるように留学し帰国後に加藤を見つけるわけですが、加藤は全然変わっておらず、対象者を変えてDVを繰り返していました。
それを知った藤巻は負の連鎖を断ち切るために殺してしまうというのが悲しすぎます。
さらに、DVに遭っていた当時に助けを求めた警察官には、加藤の演技のせいでDV男の元に戻らされたわけです。
現在の警察であれば、DVに対してもっと真剣に向き合うでしょうけど、藤巻の時代はそうではなかった。
藤巻が警察官をスズメバチで陥れようとしたところはそれだけ恨んでいたということです。
警察官も悪い人ではなかったですけど、残念ながら市民を守ってくれなかったという点では残念でした。
それを重んじた右京さんが警察を代表として謝罪するところはよかったです。
それで藤巻の心も動きました。
ラストではさらに右京さんの推理が冴えます。
ただのDVの被害者なだけかと思われためぐみさんも実は同日に加藤を殺そうと決意してました。
そして、めぐみさんと藤巻とのアイコンタクト。
お互いにしかわからない傷を負った二人の見えない絆を感じる瞬間でもありました。
その描写もよかったと思います。
2人の女性を地獄に陥れた加藤。
どうしようもない最低な男ですが、DVから逃げるには彼が死んでくれないとどうにもならないというのが切なすぎました。
負の連鎖を断ち切るのには殺人しかないという理不尽さ。
やりきれなさが残りつつ、考えさせられる回だったと思います。
亀山さんと陣川さんがようやくご対面
今回の相棒は恋多き陣川さんと亀山さんとの待望の対面回でした。
オープニングとエンディングのやり取りは長期間会わなかったとは思えないほどしっくりでしたね。
右京さんも言ってましたが、陣川さんは恋をした相手がいつも事件に巻き込まれるとすぐに女性に肩入れしてしまうのが悪い癖。
ただ今回はそこまでひっかきまわしていなかったので、少しは成長したのでしょうか。
陣川さんにも早く幸せが訪れますように。
うちの奥さんがなんちゃら、という感じでのろける陣川さんも見てみたいものです。
右京さんが死体発見時にスズメバチだろうがなんだろうが立ち向かっていく姿を見て、好奇心には逆らえないんだなとあらためて感じました。
右京さん、スズメバチに刺されたらどうするんでしょうね。
今回は右京さんvsスズメバチでは、右京さんが勝ってましたが(笑)。
まさか右京さんの睨みで逃げるとは。
それと亀山さんの何気ないスズメバチの知識が右京さんの推理の役にも立ってましたよね。
こういう連携プレイは楽しいです。
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②『相棒21』第13話「椿二輪」亀山さんの素直な勘と右京さんの絶妙な推理 さすが岩下悠子脚本な回 - 今日も暇です。