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『相棒22』第4話「天使の前髪」右京さんの推理はさすがだけど運搬と盗聴トリックに疑問あり

 

『相棒22』第4話「天使の前髪」の感想です。

 

今回は完全犯罪を崩していくスタイルの回でした。
背景やトリックなど面白かったと思います。


監督は守下敏行さん、脚本は森下直さんでした。
森下さんの脚本は基本的に好きなんですけど、今回はタイトルにあるように疑問が残りました。

 

▽目次です▽

 

犯人の完全犯罪を崩すスタイル

上記でも記しましたけど、今回は1人の女優が殺人を犯し、その完全犯罪を右京さんが推理していくという回でした。
確か予告編でもそんな感じでしたよね?
うろ覚えだったので、先週の予告を見直したらやはり疑惑の女優を疑っている予告でした。

 

オープニングで殺人をしてしまった女優は正当防衛の状況ではあるが、本当は殺人なのではないか、という謎解きトリックを右京さんが明かしていきます。

 

右京さんと亀山さんは久保崎が刺した後に偶然出くわすところから物語がスタート。


久保崎美怜という女優はオーディション会場で出会った審査員・工藤祐一にけなされてしまいます。
その後、久保崎の自宅を尋ねてきた工藤が久保崎に迫り、逃げようとするが逃げられず、揉み合っている最中に床に転がっていた果物ナイフで刺してしまったという事実を知ります。

 

この時点で正当防衛。

 

その後に、久保崎の背景やトリックの謎が少しずつ明かされていくようになります。
背景はラストで知ることになりますけど、美和子さんと亀山さん夫妻が話している内容がリンクしていましたね。
女性を性的な目で見るいわゆるセクハラを工藤が行っていました。
その相手が久保崎の妹。
場所は以前所属していた劇団内。
そこで妹さんは犯されてしまったわけです。

 

健気な妹さんでしたが、姉の久保崎には本心を知らされないように装ってましたけど、心が壊れてしまったのか自殺。

 

当の強姦した工藤は劇団のお金を盗んで、アメリカに逃亡し、コーディネーターとして日本に戻ってきていました。
それで偶然にも久保崎は工藤と再会してしまうという悲劇が生じてしまったわけです。
出会わなければ、きっと殺意はなかったでしょうに。

 

まさに久保崎姉妹を苦しめた悪党が工藤でした。

 

この内容を右京さんはことごとく推理していくわけです。

 

 

 

盗聴トリックと運搬には納得いかず

事件が起きてしまう動機や背景についてはよく出来ていると思いましたし、女優の決死の名演技に挑むという点も納得はしました。

 

ただどうしても腑に落ちないのが盗聴の部分。
この盗聴器を仕掛けたのがアルバイト先の店主という点。
普通盗聴されていると思ったら気持ち悪くないですかね?
ましてや妹さんが性的暴行を受けているのですから、そういうことには敏感になりそうなもの。

 

これにはちょっと首を傾げました。

 

さらに疑問だったのは、大事な盗聴トリックです。

 

「リバーブ」(残響)で事件解決に至るのですが、右京さんによるトリックの説明はわかりました。
推理についてはさすが右京さんなんですけど、そもそも別な場所での録音というのであれば、切り替わりの部分がわかるのではないでしょうか。
録音を一回切って、再度録音をし始めたんですよね?
もしくはずっと録音しっぱなしでいらないところは切ったとか?

 

いずれにせよ痕跡が残ると思うのです。
プツっと切り替わるか、プツが入らなくてもおかしいと気付かないですかね?
鑑識側ですぐにわかると思うのです。

 

あともう1つ大事なことは、自宅まであんな重そうな男性を1人でどうやって自宅まで運んだのでしょうか?
久保崎はマッチョで100kgぐらい持ち上げるのがへっちゃらという怪力女性設定ならわかるのですが、一般的な女性では50kgの女性を持ち上げるのも苦労するはず。

 

録音トリックはまだしも、男性を運び出す力についてはどうしても納得がいきませんでした。
犯人が男性ならわかるのですが。

 

それに運ぶ際の痕跡やそれこそ争った跡、血液反応などあの稽古場からたくさん証拠が出てくるようにも感じます。
自宅ですべて行ったという方がまだ納得だったかな。

 

今回の相棒

今回は捜一トリオの出雲さんが協力してくれましたね。
右京さんたちの味方になってくれる出雲さんは好きです。
出雲さん、本当に良いキャラに落ち着きましたよね。
最初はあんなに狂気に満ちた怖い女刑事でしたが、険が取れて捜一に馴染んでます。

 

LGBTQなどで性別関係なくという世の中ですけど、やはり体格という面では女性は弱い立場であることは変わりはないと思いました。

 

今回の疑問でも、男性が犯した完全犯罪であればまだ納得ですけど、腕力の差もありますし、妹の性的暴行も女性は男性に抵抗しても逃れられないということもあらためて考えさせられます。
体格差はどうしてもあるよね、ということを認識した回でもありました。

 

美和子さんが亀ちゃんに訴えるもよくわかりますとも。

 

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