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『相棒22』第8話「センチメンタル・ジャーニー」女詐欺師のバッドエンド 右京さんの勘がさえるもらしからぬ行動も

 

『相棒22』第8話「センチメンタル・ジャーニー」の感想です。

 

予告で中尾ミエさんがゲストということなので面白そうな感じはしてました。
さすが深みのある演技力でお話に深みが出ていました。

 

監督は権野元さん、脚本は瀧本智行さんでした。
瀧本さんは前回の第7話「青春の光と影」から2週連続での登場です。
今回のお話の方が好きでした。
瀧本さんらしい人間ドラマが描かれていたように感じます。

 

▽目次です▽

 

年老いた女性の悲しい人生

今回の相棒は事件としてはなんとなく想像が出来るような感じではありましたけど、お話に深みを持たせたのは冒頭でも触れましたけど、中尾ミエさんという大御所の方の存在でしょう。

 

何かワケありのおばあちゃん。
右京さんが最初からこのおばあちゃんが怪しいということで追いかけていくのですが、そのキッカケが若い娘の連れ去り現場を見たからです。
事件を解決するために右京さんは尾上絹という女性の後をつけ、一緒に弘前行きの夜行バスに乗り込みます。
尾上絹の隣の席に座ることになった右京さんは絹の話をいろいろ聞くことになります。

 

このような流れって前の相棒にもありましたよね?
「ついてない女」だったと思います。
右京さんは絹との駆け引きを展開していきます。
同時に、亀山さんや暇課長とともに情報の上書きもしていき、絹は偽名で詐欺師だったことが判明。
なんと10億円という大金を大企業から騙し取ったという凄腕の詐欺師でした。
弘前で生まれ幼少の時から貧乏育ちだった絹は東京に出てくるも、踏み外した人生を歩んでいたわけです。

 

本名は門脇多恵子。
年は77歳。

 

またたった一人の娘を産んでも3歳の時に離婚のため別れ別れになるという悲しさを背負ってました。
きっとずっと忘れることが出来なかったのでしょう。
詐欺師も一人の女性であり、母である一面が結果としてバッドエンドに繋がります。

 

絹は逮捕され服役してましたが、1億円を隠し持っていて、出所後それで生活するつもりだったのでしょう。
それを嗅ぎつけたのが磯貝。
孫娘を連れ去り、1億円を寄越せと言ってきたのでした。

 

門脇多恵子の半生を右京さんが聞き出し、また推理していきます。
そして最後のバッドエンド。

 

詐欺師に天罰がくだった形になりました。

 

お金がない生活が怖かったという多恵子ですが、贅沢三昧をしていた時もあったようですし、慎ましやかに生活をしていたら悪事に手を染めることもなかったでしょうに。
娘さんと再び出会えたのかはわかりませんが、ささやかな幸せは掴めていたのかもしれません。

 

失意の多恵子と正義を貫く右京さんを美しい弘前の光景が包んでました。
そこにバッドエンドの悲しさ、虚しさをより引き出していたように感じます。

 

 

 

天才詐欺師と詐欺師のニセ孫

多恵子のバッドエンドを見るという点においては興味深かったですし、どのような犯罪に巻き込まれているのか、またどのような犯罪を犯したのかというのは展開としても面白かったです。

 

ただ孫娘は最初から怪しかったですよね(笑)。
会ったこともない大がかりな詐欺で捕まった老婆をすぐにおばあちゃんと認められるのかという点と、いきなり面会をして孫だと名乗るというのもどういう心境なのだろうと思いました。
いくら母親が前年亡くなったとしても、見ず知らずの老婆を祖母として認められる器があるのかどうかという点が気になりました。
中には純粋におばあちゃんに会いたい、と思う人もいるのかもしれませんが、私であれば知りたくないことになりそうです。

 

その孫の嘘を見抜けなかったというのが天才詐欺師の多恵子。
これについては勘が鈍るというよりも、会えなかった我が子への想いが強かったからでしょうからこれは納得です。

 

でも面白いですよね。
何の因果か天才詐欺師の多恵子と血が繋がっていないのに詐欺の才能が溢れる真奈。
悪が悪を引き寄せた感がありました。
そう考えると興味深いのかもしれません。

 

あともう1点気になったのが右京さんのカバン。
あれはわざと置いておいて多恵子の様子を見るためのものかと思いきや、単なるうっかりという(笑)。
右京さんらしくないなあ。

 

それでもヒッチハイクで出し抜かれた後も迅速な行動で多恵子を追いついた右京さんはさすがでした。

 

今回の相棒

興味深かったのがワンカップを飲む右京さんです。
こういう時買いはするものの飲む雰囲気は見せつつもあまり飲む印象がないのですが、かっちりとしたスーツ姿の右京さんに意外とワンカップもお似合いでした。

 

前に冠城さんと牛丼を食べたシーンも楽しかったので、右京さんの庶民派的な姿は嬉しいです。
おそらくそうでもないと庶民右京を見ることはなかなかないでしょうからね。

 

また亀山さんとは別行動でしたけど、離れていても右京さんとの連携プレーが最高でした。
亀山さんと出雲刑事との張り込みペアも新鮮でした。
野心と保身を天秤にかけて保身が勝ったというくだりも笑っちゃいました。
捜一トリオと亀山さん、いいですよね。

 

暇課長も大活躍でオープニングでの夫婦喧嘩がエンディングでは回収されてましたね。
にゃん吉も京都に行きたくなっちゃいました。

 

しかし、刑事さんのご家族、特に奥様は大変そうです。
暇課長、奥様を大事になさってくださいね。


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