2023年10月5日放送の『プレバト才能ランキング』は「俳句・ストーンアート」の査定でした。
俳句は「金秋戦2023」の予選です。
今回の金秋戦では永世名人とシード枠で6人の決勝進出が確定しているため、残り4席を争う予選となりました。
いつもであれば、予選は3~4ブロックに分かれての戦いでしたが、今回は1回で出場を決めるとのこと。
決勝に進めるのは上位4名です。
そのため、アート系はお休みになりました。
今回の寄席で志らくさんと昇吉さんの落語家対決で、志らくさんが昇吉さんの順位を下回ったら、昇吉さんの寄席の前座と呼び込みをすると宣言してました。
以前前座を務めると言って昇吉さんに負けて、本当に前座をやってましたもんね。
勝敗の行方も気になりました。
俳句「金秋戦 2023」の予選ランキング
◆お題:母の背中
◆俳句の先生 夏井いつき先生
◆金秋戦出場者
- 特別永世名人 梅沢富美男
- 永世名人 村上健志(フルーツポンチ)
- 永世名人 千原ジュニア
- 永世名人 藤本敏史(FUJIWARA)
- 永世名人 横尾渉(Kis-My-Ft2)
- 名人段 皆藤愛子 春光戦2位でシード獲得
◆予選参加者
- 名人9段 千賀健永(Kis-My-Ft2)
- 名人8段 中田喜子
- 名人7段 立川志らく
- 名人7段 森口瑤子
- 特待生1級 馬場典子
- 特待生3級 森迫永依
- 特待生3級 犬山紙子
- 特待生4級 春風亭昇吉
最下位8位「立川志らく」(名人7段)
門付けの
母に背負われ
蚯蚓鳴く
(門付け芸人の子どもの姿を映画で見たことがあり、それがものすごく印象に残っている。母親が長唄の三味線弾きで秋の寂しさ、三味線の音色、ミミズが地面から鳴いている。それを合わせた句)
◆夏井先生の添削後
門付けの
母よ真昼に
鳴く蚯蚓
◆夏井先生の添削
素材は決して悪くない。
「門付けの母」と季語「蚯蚓鳴く」を取り合わせている。
「背負われ」が無理やりテーマに沿わせたように感じる。
もう1つの問題は、昼間と思うのに、季語は夜の季語。
時間軸をどう合わせるか。
7位「千賀健永(Kis-My-Ft2)」(名人9段)
手羽を煮る
小さき背中や
秋彼岸
(母とケンカした時の思い出。ケンカしたままで母親が料理の続きをして、手羽を煮ている背中を見た時に小さく見えた。「秋彼岸」は寂しいという気持ちになり、死を感じて「優しくしなきゃ」と思った、という句)
◆夏井先生の添削後
手羽を煮る
母よ時雨の
過ぎる窓
◆夏井先生の添削
今聞きながらそういうことだったのかと思った。
年をとっていく母に背中が小さくなったという表現は掃いて捨てるほどある!
「秋彼岸」により、亡くなった方の好物を煮ていると思う。
誰も亡くなってないんでしょ?
「秋彼岸」はダメ!
お母さんとはっきり書いた方がいい。
6位「馬場典子」(特待生1級)
秋湿り
添い寝の母の
生返事
(小学校の一時期、寂しかったのか母のところで一緒に寝てた。話を聞いてくれることもあったが割りと生返事しか返ってこない母親の疲れた感じ、自分の寂しい感じを季語に込めた、という句)
◆夏井先生の添削後
秋の蚊帳
母の背中の
生返事
◆夏井先生の添削
書こうとしていることはわかるし、共感も持つ。
でも季語が問題。
「秋湿り」と「生返事」がちょっと近い。
季語を別なものにすれば、「添い寝」と書かなくても分かる。
5位「中田喜子」(名人8段)
母の背は
硬く娘を
待つ秋夜
(母は魚市場の仲買人なので夜9時には完全に寝ている。私が友達に会う日に限って、どんなに遅くても待ってる。小言も言わずにただ座っている。それが怖くてそそくさと母を横切って振り返ると、母の背中が「喜子」とこわばっている、という句)
◆夏井先生の添削後
母の背は硬し
吾を待つ
秋夜の背
◆夏井先生の添削
良いところは「硬く」。
背中が硬いというのは自分の心情を込めている。
「娘」だと第三者がこのお母さんは娘を待っていると読んでしまう。
今の話を聞くと「私」を待っている、それを入れるだけ。
「背」をリフレインすることで思いが深くなっていく。
4位「森迫永依」(特待生3級)
薄月夜
母の電卓
スタッカート
(母が家計簿をつけていて、領収書を整理をして電卓を叩いている。薄月夜が綺麗な中、母が居間に座っていて母の電卓の音だけがすごく聞こえてくる、という句)
◆夏井先生の添削後
星流る
母の電卓
スタッカート
◆夏井先生の添削
中七・下五のフレーズが良い。
家計簿や商売の経理かと思った。
スタッカートで勢いや明るさのイメージが残る。
季語は代替えができる。
「薄月夜」からの「母の電卓」だと負のイメージになり、かすかに損をしている。
スタッカートの歯切れの良さに繋げるには「星流る」という動きのある季語がいい。
あなたはこういうフレーズを作れる人なので、ここからとても楽しみ。
3位「犬山紙子」(特待生3級)
発熱の母
月光の
車椅子
(母の介護で車椅子に乗せていた時期があった。母が発熱をして病院に連れていくとなった時車椅子を押していて、月の冷たい青い光が癒してくれる、という句)
◆夏井先生の添削後
添削なし
◆夏井先生の添削
こういう句を見るとみんな力をつけてきたと嬉しい。
お母さんを救急病院に連れて行っている場面かなと思う。
「発熱」を「月光」で冷ましてくるかのように伝わる。
順位をつけるとなった時、「背」のテーマ性で3位。
それを外せばキチンとできた良い句。
2位「森口瑤子」(名人7段)
黒ぶどう
甘やか母の
背にほくろ
(いただいた黒ぶどうが色っぽい。うちの母親って全く色気がないが背中にほくろがあって、子どもながらにそのほくろがキレイと思った、という句)
◆夏井先生の添削後
黒葡萄
あまやか母の
背にほくろ
◆夏井先生の添削
直接的に「母の背」を使っているが、こんな風にも詠めるというお手本のような句。
「黒」と「ほくろ」が響き合う。
「甘やか」で切れるが、母の背に対してもどこか甘やかな気分を持っている。
「甘やか」の位置がいい。
ぶどうと漢字にし、甘やかをひらがなにするという表記を大事にするといい。
1位「春風亭昇吉」(特待生4級)
乳房切除す
母よ芒の
先に絮(わた)
(8年前に母親が腫瘍の手術をした。母の病室の窓から駐車場が見えた。駐車場の隅っこにススキがあって先っぽにワタが飛んでいかずくっついていた、という句)
◆夏井先生の添削後
添削なし
◆夏井先生の添削
詠い出しがハッとする。
「乳房切除す」で切れ、次の「母よ」でお母さんが手術をしたとわかる。
その出来事を淡々と詠んでいる。
「母よ」で切れ、ススキの映像に切り替わる。
一つ褒めたいのは背中と書いてないが、この語順で読んでいくとお母さんが背中を向けている映像が見えてくる。
技術として上手い。
さらにお母さんの心情が「芒の先に絮」に乗っかってくる。
枯れていくススキに自分を投影しているのだろうか?
ワタにくっついている種子を飛ばすことで命を繋ぐ、その光景に自分の子どもたちを思っているのだろうか?
それらを映像で伝えている。
しかも三段切れで上五が字余りという難度の高い構成で、俳句の内容によってはこの形が一番ピッタリ。
よく勇気を持って挑んだ。
これは手放しで褒めます!
素晴らしい句でした。
金秋戦予選ランキング
◆「2023 金秋戦」予選順位◆
1位「春風亭昇吉」(特待生4級)
2位「森口瑤子」(名人7段)
3位「犬山紙子」(特待生3級)
4位「森迫永依」(特待生3級)
5位「中田喜子」(名人8段)
6位「馬場典子」(特待生1級)
7位「千賀健永(Kis-My-Ft2)」(名人9段)
最下位8位「立川志らく」(名人7段)
※赤字・青字が予選通過
◆◇◆ ◆◇◆
志らくさんか中田さんのどちらかは入ると思ってましたが、波乱がきましたね。
二人ともいい俳句でしたけど夏井先生の添削が入ってしまいました。
そして、面白いのが志らくvs昇吉の結果ですけど、昇吉さんの勝利になりました。
これにより、志らくさんは昇吉さんの寄席に前座だけではなく、呼び込みもするとのこと!
この寄席めちゃくちゃ見たいんですけど!
しかし、昇吉さんはいい先輩をお持ちですよね。
本来はそんなことをしていただけるなんてあり得ませんもんね。
プレバト様々でしょう(笑)。
▽他のプレバトもどうぞ▽
①『プレバト!!』8月3日「夏の炎帝戦 2023」梅沢富美男が4年10ヵ月ぶりの優勝 順位は波乱の結果に - 今日も暇です。
②『プレバト!!』10月13日「金秋戦 2022」梅沢惨敗!フジモンが3年ぶり優勝 - 今日も暇です。