『相棒21』第6話「笑う死体」の感想です。
お笑い芸人さんがテーマでもあった今回ですけど、なかなかよかったのではないでしょうか。
監督は権野元さん、脚本は瀧本智行さんでした。
瀧本さんのこれまでの相棒作品は、事件の主となる人物の裏側をすごく深掘りしますよね。
すごく人間ドラマがあって好きです。
今回も裏切りませんでした。
▽目次です▽
オチのネオンに余韻が残った
まさかのオープニングで、ホームレスが財布を盗むところに遭遇する右京さんと亀山さん。
非常にコミカルな感じで物語は始まりました。
そして事件の本題に繋がる「笑うセールスマン」と呼ばれていた他殺体の話になります。
ここで今回のサブタイトルである「笑う死体」になるんですけど、その死体は伊藤さん。
伊藤さんは元お笑い芸人が引退してその後サラリーマンに転職。
その職場が暴力団絡みの超ブラック企業という不幸を抱えてました。
元お笑い芸人だから「笑う死体」なのかなと思いましたけど、オチがなかなか余韻が残りましたね。
伊藤さんはみんなを楽しませる芸人さんでしたけど、実の姿は仏頂面でネタを書く時もそのまま。
時々自分のネタで笑うというのを芸人仲間から「根暗」と言われていました。
それが伊藤さんが最後に見た「ネクラシス」というネオンです。
つまり「根暗死す」ですよね。
最後に笑って人生を終えられたのだから、ほんの少しだけ報われたかもしれません。
それを見て笑ったまま亡くなった伊藤さん。
どんな気持ちだったのかな?
息子さんに会えて嬉しかった部分もあるのかなとも思ったり。
決して幸せな感じではない伊藤さんの人生を見ただけに、すごく切なくなりました。
それでも、大事な相方サヤとの愛、その証である息子さんの存在が知れただけでも幸せだったのかもしれません。
サヤさんもすごく伊藤さんを愛していたのが伝わっていただけに、殺されれなければもしかしたら3人でということもあり得たのかなとも思ったり。
実際には無理なんでしょうけど、そのあたりの余韻が残りました。
なにせサヤさんはまだなんとか頑張って生きてましたけど、盗みを犯した伊藤とホームレスの大谷には厳しい現実だけですもんね。
犯人は意外だった件
右京さんが導き出した犯人は冒頭のホームレスでした。
これが意外。
単なるホームレスで終わることも多いでしょうけど、本当に犯人だったという回でしたね。
そこに繋がる話もちゃんとしてました。
右京さんが大谷が犯人であることはすでに気がついていましたよね。
さすが右京さん!
亀山さんが右京さんが「スピリッツ」をどこかで見たことがあるとド忘れてしたことを喜んでいましたけど、それは千社札だったわけです。
しかもそれは大谷のスーツケース。
芸人を辞めた後の末路が悲惨な大谷と、ブラック企業で最悪に日々を過ごす伊藤。
悲しい芸人の末路の部分の悲哀が悲しかったです。
でも、最後にサヤさんの息子・颯太くんが芸人を目指すという明るい希望が残っているのがよかったです。
しかも目指すは男女コンビ!
芸人で大成するのは実力と運が必要ですから、もしかしたらお父さんとお母さんと同じように夢を掴めない可能性もあるかもしれませんけど、一生懸命に目指す姿にはホッコリしました。
きっと伊藤さんも天国で喜んでいることでしょう。
今週の相棒 右京さん&亀山さんのほっこりポイント
中園参事官からかかってきた右京さんの電話に、「キミ出てもらえますか?」とスマホを渡す場面は思わずクスリ。
お茶目な右京さんが見れました。
亀山さんの想像で登場した笑う死体になった伊丹さん。
本当にそんなことになったら号泣でしょうに(笑)。
右京さんが伊藤が殺された状況を自分でも試す場面で、起き上がった時にすぐさま亀山さんがスーツをはらってあげるのがツボでした。
仲良しですなぁ。
そして、亀山さんと美和子さんの仲良し夫婦の夫婦漫才風なのも良かった。
瀧本智行さんの脚本は個人的には好きですね。
めちゃくちゃ涙した『相棒19』の16話「人生ゲーム」を越えていませんでしたけど、悪くなかったです。
しかし、ここまでの6話ですけど、今のところ1話も裏切っていないのが『相棒21』シーズンですね。
今後脚本の皆さんにプレッシャーがかかりそうですけど、あまり気負わずに右京&亀山コンビをみせるということで頑張って欲しいです。
▽他の相棒もどうぞ▽
①『相棒21』第5話「眠る爆弾」物語の鍵は助成金 さすがの右京さんの推理と人命を守った亀山さん - 今日も暇です。
②『相棒19』第16話「人生ゲーム」そこに愛はあったという感動回 右京さんが優しく包み込んでくれていた - 今日も暇です。